2019年振り返り #4 大器の片鱗を見せてくれた 伊藤 裕季也
「オープン戦で怠慢走塁を見せた伊藤ね!」
「なんでそういうことを言うかな」
結乃の言葉に、理衣が苦笑いしている。
「本人だって戒めにしているし、良い方向に転がったと考えれば良いじゃない!」
「それは周囲が言うことじゃなくて、本人が言うことだよね・・・・」
「ルーキー、伊藤の1軍成績よ」
#4 伊藤 裕季也
出場試合 : 21
打数 : 52
打率 :.288
安打数 : 15
HR : 4
打点 : 7
盗塁 : 0
「なんといっても初スタメンの試合よね!」
「1試合2HRだったもんね!」
しかも他の選手が打ちあぐねている中で、である。
スター性は間違いなく持っていると思わせてくれた試合だった。
「思い切りの良さは気持ち良いわよね」
「ルーキーだし、まずは振ること、だね」
「三振も簡単にしそうなスイングというか、打席ではあるけれどね」
「本人も課題は確実性って言っているしね」
「それはこれから身に付ければよいわ。ということで、60点の及第点をあげましょう」
偉そうに結乃が言う。
「2020年はどうなるかな?」
「将来的には宮崎の後のサードが有力だけど、まだ宮崎も問題はないし、2塁を狙うのが現実的よね」
「2塁もライバルは多いよね」
ソト、柴田、石川。
特にソトをどうするかによって大きく影響してくる2塁である。
「ま、いずれにしても守備力を強化しないとね! セカンドゆきやとか、怖いわ!」
「プロの守備は練習と経験あるのみ、かな」
「反復練習よ!」
守備が気にならないほど打てるなら別だが、まだまだそんなレベルではない。
「タイプ的にも、なんかふてぶてしい感じはベイスターズにいないタイプだし、面白いわよね」
「打てる内野手、良いよね~」
「この2,3年が勝負よ! 若いとはいえ大卒だし、ライバルだっているし」
「目指せ、レギュラー奪取!」