2019年振り返り #7 幸運を呼ぶ力は健在か? 石川 雄洋
「雄洋、まだまだ辞めるなよー!」
「ちょ、結乃、誰も辞めるなんて言ってないし!」
結乃の発言を慌てて止める理衣。
「発破よ、発破!」
「意味わかんないよ・・・・」
#7 石川 雄洋
出場試合 : 50
打数 : 101
打率 :.208
安打数 : 21
HR : 2
打点 : 5
盗塁 : 1
「石川選手といえば、なんといっても10連敗を止めた試合の決勝HR!」
「あの試合は熱かったわね!」
10連敗でどうにもこうにもならない状況。
一軍登録した石川をすぐスタメン起用とはいえ、あそこまで劇的な姿を見せてくれるとは誰も思わなかっただろう。
「HRもそうだけど、ランナー一塁でちゃんと引っ張ってライト前ヒットで1,3塁にしたところとかね」
「チームプレーが出来るところがいいよね」
「他の選手で、そういうこと出来るのがいないからね・・・・」
バント、エンドランといったことを出来る。
ランナーを進める打撃が出来る。
そういうところが大きかった。
「更に、1000本安打も達成!」
「いやー、よく到達したわよね」
「選手の皆でケーキでお祝いの写真とか、微笑ましかったよね」
「石川がそれだけ暗黒時代から頑張ってきたのがあるからね」
多くを語る選手ではないが、怪我をしても何も言わず黙々とチームの為にプレイしてきた。
そのことを他の選手も分かっていたのだろう。
「幸運の置物、なんて言われてもいたけれど、置物で終わる年齢じゃないわよ!」
「まだまだスタメンでも頑張ってほしいよね」
「二塁はスタメン決まってないしね。他の選手とのプレースタイルの差もあるし。とはいっても、もうちょっと打てないとってのはあるけれどね」
「前は3割近く、36盗塁とかしたんだけどね」
「走塁能力は今もチームトップクラスだと思うわ」
今の状況だと、やはりチームの状態が悪い時にアクセントとしていれる役割になりがち。
だが、それで満足してもらいたくはない。
「成績はよくないけれど、チームへの好影響を踏まえて50点!」
「もっともっと、出て欲しいね!」
「しかしまあ、石川が出てくることであんな声援が大きくなる日が来るなんて、昔は思わなかったわね」
しみじみという結乃。
2020年はまだ34歳シーズン。
老け込む年齢じゃない。
栄冠掴むその日まで、恐れずベースに飛び込むプレーを続けて欲しい。
そして、栄冠を本当に掴もう!