2019年振り返り #40 生き残った者のより厳しい立場に 飛雄馬
「飛遊馬、2020年の契約も勝ち取ったのね!」
驚きの声をあげる結乃。
「また失礼なことを言わないように・・・・」
理衣がおそるおそる、という感じで言う。
さて、一軍の成績だが。
#40 飛雄馬
出場試合 : 5
打数 : 5
打率 :.000
安打数 : 0
HR : 0
打点 : 0
盗塁 : 0
「見事に0が並んだわね!」
「まあ、5打数だから・・・・」
「そうだけど、厳しいわよね」
渋い表情をみせる結乃。
「本当に毎年、状況的には厳しいけど、それでもしぶとく生き残っているのよねー」
「球団がそういう評価をしている、ってことだよね」
「そういうことになるのよね。大河や狩野よりも、飛遊馬、ってことなんでしょうね」
外からでは分からないものがあるのだろう。
成績の数字だけを見ていても、それはよく分からない。
「二軍での成績も、打率は.256だから、それほど良いわけでもないしね」
「やっぱり、声の大きさと元気の良さ?」
「いや、それだけで生き残れないでしょ」
「内野のユーティリティ性?」
「まー、内野が手薄なことは認めるけれどね」
とはいっても、さすがに崖っぷちか。
年齢的にも、30が近くなってきている。
「球団というかファームでも推薦があって一軍に上がっているのでしょうから、2020年もチャンスはあるかもしれないわ」
「そのチャンスをどう活かすか、だね」
「別にあたし達だって戦力外になってほしいわけじゃない。活躍して勝利に貢献してくれるなら、大ブレイクも望むところよ!」
楽観的にはなれない。
だが、諦めずに練習に、試合に臨むべし。