2019年振り返り #52 確実性も少し見せ、目指せ一軍定着 細川成也
「ハマのカブレラ、細川ね!」
腕まくりをして力こぶを誇示してみせる結乃。
だが、その細腕は握れば折れてしまいそうだ。
「えーと、細川選手の成績は、っと」
冷静に振り返る理衣。
#52 細川 成也
出場試合 : 36
打数 : 83
打率 :.222
安打数 : 16
HR : 1
打点 : 10
盗塁 : 0
「一年目から順調に成績をのばしている感じだね」
「そうね、出場試合数も増えていって・・・・でも」
「でも?」
「物足りなぁーーーい!!」
結乃が爆発した。
「えっと、何が物足りないの?」
「長打率が3割を切っているのよ、パワーが自慢のはずなのに!」
「うーん、まあ、まだ安打も少ないしねぇ」
「打数が増えたんだからホームランも増やして欲しいけれど、1本だけじゃあねぇ」
「ほら、少しずつ課題をクリアしていっているんだよ」
「うーん、分からなくはないけれど」
まだ不満そうな態度をみせる理衣。
細川に求めるのは長打、HR。
しかし若いとはいえ三振ばかりでは使い辛くなるのも確か。
「ヤクルトの村上みたいな成績でもよいのに!」
「あー、村上選手は凄いよね」
パワーだけなら細川もあるだろうが、何が違うのか。
ドラフト順位の差がやはりそれだけあるということだろうか。
「筒香が抜けたとはいえ外野は激戦。細川の今の力じゃあ、レギュラーは遠いわよ!」
「強打の右打ち外野手はいないからチャンスは確かにあるよね」
「細川は自分の長所をまず伸ばすべきだと思うのよ」
若いのだから、まずは伸ばすべきところを伸ばす。
というか、明確な長所があるのだから、強みを活かしていきたい。
苦手を克服していくのはその後でも遅くはないのではないか。
「だから、出場数は多くなっているのは確かだけれど、あたしの求めている点と違うから45点!」
「うーん、主観バリバリだね」
「いや、そもそも、そういうもんだからね。個人が点数をつけるなんて」
結乃は開き直って言う。
「高卒4年目、そろそろ一軍定着に向けた何かが欲しいわね」
「それを2020年に見せて欲しいね!」
「おそらくチャンスはあるでしょうから、そこで何を見せられるかね」
高卒野手は5-6年目くらいにある程度独り立ちのめどがほしい。
「流し打ちでスタンドインできるパワーがあるのよ、それを精一杯見せてね!」
さて、どうなる?