2019年振り返り #58 貴重なシュート使いのむーさん 武藤 祐太
「むーさんね」
笑みを噛み殺すような表情をした結乃が言った。
「縁の下の力持ち的な感じで活躍してくれたね」
理衣は素直な笑みを浮かべている。
DeNA2年目、武藤の成績である。
#58 武藤祐太
当番試合 : 31
投球回数 : 38
防御率 :3.32
勝利 : 1
敗北 : 2
セーブ : 0
ホールド : 3
奪三振 : 28
「武藤といえば、キャンプの時のランニング姿が!」
「いや、成績の話をしようよ!」
思い出し笑いをしている結乃に理衣が突っ込んだ。
他の誰にも通用しないようなことを思い出して笑っていては意味がない。
「まあ確かに、2019年はよく投げてくれたわよね!」
「ビハインドが主だったけれど、勝ちパターンの中に入った時もあったよね」
「さすがに随時勝ちパターンとまではいかないけれど、それなりに信頼して出せるわよね」
「防御率も良くなったしね」
パットンが不調、三上が故障と苦しい中継ぎ事情の中、色々な場面で投げてくれた。
「光も言っているけれど、ベイスターズにはないシュート使いってのが大きいわよね」
「確かに、あまり投げる人いないよね」
「ナチュラルシュートはあるけどね、そういう自分の武器を活かせるのは良いわよね」
「シュートだけじゃなく、スライダーにフォークと、全方向変化があるからね!」
「さらにストレートが速くなって、150km出るようになったからね」
「あんな速い球を投げるなんて驚きだよね」
「中日も良く、戦力外にしてくれたわ」
これは素直な感想である。
十分にお得な戦力補充だったと言えよう。
「ということで、2019年は80点くらいあげてもいいと思うわ」
「おー、高得点!」
理衣が拍手する。
その評価は年棒にも現れている。
「2020年もおそらく同じような立場を求められるわね」
「ビハインド、ロングリリーフ、もしかしたらオープナーとかも?」
「可能性はなくもないわね。ロングリリーフで3イニングとかも投げられるしね」
「良い場面での登板が増えると良いね!」
もっとファンから人気が出ることを願いたい。
頑張れ、むーさん!