2019年振り返り #64 走攻守そろえて目指せ一軍 百瀬大騎
「モモちゃん!」
意味不明に結乃が叫んだ。
「え?」
理衣は当然のようにきょとんとしている。
「キャンプでみたけれど、なんかチャラかったわね」
「そこ?」
#64 百瀬 大騎
出場試合 : 1
打数 : 1
打率 :.000
安打数 : 0
HR : 0
打点 : 0
盗塁 : 0
「オール0じゃない!」
「いや、1試合、1打席だけだからね!?」
憤る結乃をなだめる理衣。
「わかっているわよ。お約束でしょ?」
「そうかなぁ?」
「さすがにこれじゃあ点数のつけようがないわね」
「でもほら、ついに一軍に登場できたわけで!」
「2軍の打撃成績もたいしたことないのよね」
「7月は月刊打率.390だって!」
「一か月だけじゃ意味ないのよ。百瀬はとにかく打撃が向上しないのよねぇ」
唸る結乃。
走力、肩の強さを評価されての入団だと思うが、課題の打撃がなかなか結果が出ない。
2019年、一か月だけとはいえ結果を残して一軍にあがったが、そこでも見逃し三振だった。
一打席だけでは評価できないが、その一打席をものにする選手がいるのも確かなのだ。
「球団も内野手に力を入れてきたからね、もう背水くらいでいかないと」
「そんなに?」
「大河だって戦力外になったんだからね。伊藤ゆ、森、田部、どんどん若い内野手をいれてきているからね」
それも、ドラフト上位で獲得しているのだ。
今までは投手優先で野手は下位だった。
それが、である。
「まずは代走でもいいから一軍に出て、何かを見せなさい!」
「なんとかチャンスを掴みたいね」
「まあそのまえにチャンスを貰えるよう、2軍で成績を残さないとね」
「やっぱり厳しい世界!」
「当たり前のことよ。チャラくなるのはその後で!」
「うーん?」
なんとか目立ちたい。
頑張れ。