「今日のニュースは」
と、結乃が奇妙な踊りをしながら言う。
理衣は無言で見つめている。
「いよいよ、石川が実戦に登場!」
「おーっ」
パチパチパチ、と拍手する理衣。
「若かりし頃、チームを代表して叩かれまくっていた石川が、こんなにも皆から望まれるようになるとはね!」
「ラミレス監督も信頼しているみたいだね!」
【DeNA】石川が新背番「42」初実戦で左翼線二塁打「自分では違和感ない。一本出てよかった」
「内野の争いも厳しいっちゃ厳しいけれど、雄洋にはチームを勝たせる何かがあるってのが大きいわよね」
「2019年も、連敗ストップして、そこからチームも上昇したし、雰囲気もよくなったしね」
「石川クジもあったし、そういうキャラクターになるなんて暗黒時代の象徴とは思えないわね!」
むしろ、唯一残った暗黒戦士だからこそ、今のチームに置いて幸運の置物、みたいなことになっているのかもしれない。
「内野を複数ポジション守れたら、もっと一軍定着の機会が今だってあるんだけどね」
「でも、ピンチバンター、代走もできるしね」
「走塁技術を森に教えてあげて欲しいわ!」
本当に、石川の走塁センスは良いのだから。
「とりあえずファームで調整して、3月には1軍に呼ぶって言っているしね」
「今年も頼りにしたいよね!」
「そうね、勝利のラッキーアイテム的な感じで!」
「いやいや、戦力としてだよ!?」
いずれにしても、昔からのファンが、そして数多くの去っていった選手達が夢を託した石川。
2020年こそ、石川とともに美味しいお酒を飲もう。
まずは好スタートをきったようで(?)何よりであった。