「オープン戦、無観客は仕方ないにしても、雨天中止かー!」
結乃が頭を抱えた。
「せっかく、佐賀での凱旋試合だったのにね」
理衣も残念そうに言う。
そう、宮崎、濱口が初の地元凱旋試合になるはずだったのだが、雨天中止。
自然には勝てないとはいえ、残念だった。
「そして、せっかく高城が一軍に呼ばれたのにねぇ」
「ま、まあ、また次の試合で濱口投手と組んで投げるよ、きっと」
「ラミレスがコンビネーションを見たいと言っているんだから、さすがに試合に出さずに二軍はないでしょうけど」
高城としても無念だっただろう。
「ということで、本当は試合のことでも話そうと思ったけれど、話すことがなくなっちゃったわ!」
「そんな、堂々と・・・・」
「振り返りも終わったし、これから開幕するまでのネタに困るわね!」
「だから、そういうことを・・・」
「3月1日の試合は長崎! 今度こそ開催できるとよいわね!」
「坂本投手が登板予定だしね!」
「何よ理衣ちゃん、イケメンだから?」
「そ、そんなことは・・・・」
オープン戦の序盤は若手、1.5軍のアピールの意味も強い。
試合がなくなるのは、そういう立場の選手にとっては痛いところだろう。
「うーん、試合に飢える!」
さあ3月、開幕はもうすぐ!
でも、本当に開幕できるかは分からないけれど!