「坂本、西武打線に打たれたわね!」
オープン戦の結果を見て結乃が言った。
「さすが強力、西武打線だねぇ」
理衣も頷いている。
オープン戦、初黒星である。
「投球内容自体を見ているわけじゃないから、なんともいえないけどね」
「でも3イニングめは3者凡退に抑えているし」
「まー、修正したと評価すればよいのかしらねぇ?」
「球速は151キロ出たみたいだけど」
「速さが全てじゃないわよ! あとは無警戒で盗塁されたとかね、左腕なのに」
この1試合でどうこうとまではいかないだろうが、色々と課題を修正していってほしい。
「ただ、石田が4イニング無失点なのはよかったわね」
「前回の登板ではちょっと打たれちゃったもんね」
こちらは状態をあげてきている、と見てよいのだろうか。
「パットン投手も実戦登板で無失点!」
「結果の数字でしかみんな分からないから、内容が知りたいわ!」
さて、どうだったのか。
「打線は8安打で1点だったね」
「今までの試合が好調でよく取れていただけ、ともいえるけどね」
「そんな中でもソト選手が2安打して、佐野選手が唯一のタイムリー!」
「打点を稼いでくれれば文句はないわ!」
他、宮崎、大和と好調をキープしてヒットを放っている。
「ただやっぱり、主力以外はなかなかヒットが出ないわね。打席が少ないとはいえ、その少ないチャンスをいかにモノにできるか、なんだけどね」
「厳しいねぇ」
乙坂、関根、百瀬は凡退。
楠本は四球を選んだが。
「さー、ここからオープン戦も本番、週末だけじゃなくて平日も開催されるわよ! ひゃっほう!」
飛び跳ねて喜ぶ結乃。
「世間的には、あまり喜べる状況じゃないけどね」
「無観客でも開催される以上、喜んでいいじゃない!」
さあ、ここからサバイバル。
開幕一軍に生き残るのは誰だ?