「また阪神にやられてるの!?」
結乃の第一声は怒りに満ちていた。
「れ、練習試合だし」
理衣が取りなそうとするが。
「練習で出来ないことが本番で出来るわけないでしょうがに」
ということで。
阪神との練習試合ではまたしても投手陣が打たれて大量失点、しかも逆転負けである。
「打たれたのは櫻井、齋藤という非主力とはいえねぇ・・・・」
ため息を吐き出す結乃。
「公式戦を見ているようだったかもね」
「負けはともかく、負け方が同じようじゃない!」
あいかわらず横浜では面白いように打たれるものである。
リードしていてもリードしているといえないような状況。
で、案の定、打たれてしまったと。
「これで投げていたのが三嶋とかだったら絶望しかなかったけどね」
「今日打たれた投手にはリベンジを頑張ってもらおう!」
ホント、リベンジできるのか・・・・?」
「打線だって5点取っているけれど、相手のエラーのおかげだからね。だって5失点で自責点ゼロだからね!」
「2回に5点を取ってからは、無得点だもんね」
「相変わらず阪神投手陣を打てないコト! それも、主力じゃないのにね!」
「良い投手が揃っているんだねぇ」
「のんきに褒めている場合じゃないからね!」
何せ、15三振を喫しているのだ。
一体何年、繰り返しているのか。
「良かったのは梶谷とロペスが2安打と好調をキープしていることくらいかしら」
「それはシーズンが楽しみだよね!」
「でも、それだけじゃ点は入らないのよ!」
これで練習試合に入ってから3連敗。
それも、大量失点が続き、打線は沈黙。
「開幕前で良かったわ!」
と、言いたくなるものである。
「とりあえず、25日の練習試合でしばらく間が空くんだから、良い形で締めたいわね」
「相手も阪神さんだもんね」
「勝ちなさい!」