「さあ、いよいよ緊急事態宣言が出されたわね!」
と、声を張り上げる結乃。
「皆さん、落ち着いた行動を」
理衣は穏やかに言う。
「まー、宣言されても外出する人は外出するしね」
「インフラを支える人は仕方ないよね」
「そうじゃない、要もない人が出歩くのがねぇ」
「耐えましょう!」
「あたしは引きこもり万歳だけどね!
「さて、今回は、新浦壽夫よ!」
「な、なんでまた、新浦投手に?」
「そら、遠藤、斉藤ときたら、新浦でしょうよ!」
「ファミスタだね!」
■大横浜大洋ホエールズ (1987 - 1991)
■通算116勝 123敗 39セーブ
■最優秀防御率 1977年、1978年
■最高勝率 1977年
■最優秀救援投手賞 1978年
「おお、凄い成績だね」
「まあ、タイトルを獲得したのは巨人時代だけどね!」
「それでも大洋時代は・・・・5年間で35勝しているね!」
「入団した時からベテランだったけど、それでも左のエースだったのよね」
「頼りにしていたということで」
まあ、ファミスタにも出るくらいだった。
「新浦といえば、最多被安打の完封が印象強くてねー」
「そんな記録が・・・・」
「いやホント、見ていたんだけどさ、5回まで10安打くらいされているのに0に抑えているという不思議さ」
「見ていたって、年齢が・・・・」
「不思議の勝ちってあるもんよね!」
しかも対戦相手が巨人であった。
本当、毎回のようにスコアリングポジションに背負い、よく点をとらえなかったものである。
「当時は遠藤、斉藤、新浦の三枚看板の投手だったわね!」
「大洋でも二年連続二けた勝利しているもんね、立派だよね」
「ただ、在籍していたどの年も、勝利数以上に負け数が多いから、先発投手としてどうなん? ってのはあるけれどね」
「あはは・・・・」
まあ、チームが弱かったというのもあるが。
「実は、他にあまり覚えていることがないわ」
「3番目として出たのに」
「そういうこともある! それでも、存在は印象強く残っていたってことよ!」
近年でこそ左腕王国などといわれていたが、左腕は昔からなかなか出てこなかった。
移籍とはいえ、いっとき左腕エースとなってくれたのは確か。
そういった意味でも感謝であるのだ。