「緊急事態宣言したなら、中途はんぱせずに休業させなさいよ!」
連日のように緊急宣言に関する発言をする結乃。
「あまりここで政治的なことは言わない方が良いんじゃないかなぁ」
理衣もやんわりと止めようとする。
「個人的な感想だから政治的発言じゃないわよ。外出するな、店は開けろって矛盾しているの明らかだしね」
「ううん」
「理衣ちゃんが困っているので話題を変えましょう!」
「そうそう、野球の話で」
「今回は流れを重視! 加藤博一!」
「スーパーカーの2人目!」
■横浜大洋ホエールズ (1983 - 1990)
■通算 2321打数 628安打 打率.271
「加藤選手といえば、”ひろかずコール”だね!」
「大声で、ね」
球場一体となってのコールは楽しかった。
当時は満員になるほどの人気球団ではなかったが、それでもひろかずコールは人気の証。
加藤も、コールが3回されてからバッターボックスに入るくらい、分かっていたのだ。
「スーパーカートリオとしての活躍はもちろんだけど、ひょうきんなキャラクターが人気だったのよね!」
「ものまねとかだっけ」
「芸人みたいな感じだったわよね。本人も、いじられるのとか好きだったのかしらね」
「スーパーカートリオのイメージが強いから横浜汚印象が強いけど、実際はプロ生活の半分くらいなんだね」
「もとは阪神で、トレードでの獲得だからね」
「それでも、あれだけ愛される選手だったもんね」
「本当、むしろ大洋のイメージしかないわ」
「それは、単に阪神時代を知らないだけでしょう」
「楽しいキャラクターだけに、早くに亡くなられたのが残念だわ」
「そうだよね、まだ60歳にもなっていなかったもんね」
「あの『鎌田行進曲』をもっと聞きたかったわ」
「それは現役時代では・・・・」
明るいキャラクターで人気を博し、ファンを喜ばせてくれた選手。
記録よりも、強烈に記憶に残っている選手であった。