「自粛で野球ができないからこそ、自分を磨け!」
結乃が唐突に叫んだ。
「ど、どうしたの?」
理衣が驚き、目を丸くしている。
「試合が出来ない、練習も満足に出来ない、こういう状況だからこそ過ごし方で差が出そうよね!」
「まあ確かに、そうだよね。どのような生活をして過ごすか、人によって違いそうだしね」
極端なことを言えば、練習は最低限にして室内でダラダラ過ごすことはいくらでも可能なのだ。
人というのは楽な方に容易に流れるものだから。
「あたしも、これ幸いとダラダラしているわ!」
「威張ることじゃないけれど、まあ、この状況じゃあ悪いことじゃないよね」
「でもプロ野球選手、いざ開幕となった時にどういう状態になっているか!」
「それは練習だけではない、ってことだね」
「そう、人生の中でこの期間をどう有効にするか!」
【DeNA】今永昇太がタイ料理に英語に政治…五輪へ「学んで人間力磨く」
「さすが今永先生、たいしたもんね!」
「それを発信していくっていうのも凄いよね」
ファンへの影響や、少しでも喜んでもらえれば、ということだろう。
料理に英会話に政治。
今のこの一瞬だけではなく、この先の人生も含めて人間力をあげようという気持ちが出ている。
「うーん、ダラダラゴロゴロしているだけのあたしとは大違いね!」
「自虐はいいけど、でも今永選手は本当に凄いとしかいいようがないね」
誰もが出来るものではないだろうし、別にやらないから悪いというわけではない。
家族がある人は家族との時間を大切にするのもあるだろう。
今までできなかった何かに手を付けてみることもあるだろう。
それでも、このような特殊な事態だからこそ、今までと違ったことを意識して出来る機会といえばそうなのかもしれない。
働き方も、今回で一気にテレワーク化が進み、コロナが収束した後も定着しそうである。
未曾有の状況は、その後に変化ももたらす。
「あたしは、太らないように気を付けるわ!」
「確かに、それは切実だね・・・・」
皆さんも気を付けましょう。