2020年7月17日 巨人戦
結果:横浜1-2巨人
敢闘選手賞:井納
「なんなの!?」
第一声がこれである。
「苦しいねぇ」
そういう理衣の声も苦しげである。
ヌケヌケが終わっての一戦、連敗を止めたかったが、相変わらずの決定力不足である。
「ロペス、宮崎の併殺はまあ、まだ仕方ないと諦めることもできるわ。送りバントとか期待しているわけじゃないし」
この日もランナーを出してチャンスを作っても併殺。
タイムリーは出ない。
「それより5回、先頭の戸柱が出て打順は大和、井納で、何の策もなくただ打たせるだけって何!?」
多くの人がそう思ったのではないだろうか。
「雨よ、1点負けているのよ、この回終わったら試合成立するのよ!? 大和で送りバント、中井、梶谷の二人で勝負じゃないの?」
「う、うーん」
「それで仮に打てなくて負けても、まだ納得はできたわよ」
はたしてどのような考えで策もなく打たせたのかを知りたい。
結局、6回で降雨コールドである。
「ただ打つだけじゃあ、打てなくなったときどうしようもないわ」
「1点取ったけれど、それも内野ゴロの間の1点だもんね」
「ああもう、苛々する試合ばかり!」
頭を掻き毟る結乃。
このところ不満ばかりである。
「井納は6回2失点、先発陣は頑張っていても、これじゃあ報われないわね。これで貯金もなくなって」
「なんとかチーム状態を回復させたいね」
「兆しが見えないわね」
仮に1試合、打線が打ったところで変わらないだろう。
この打線を組んだ時点で、ただ打つだけになるのは分かっていたのだから。
「横浜に戻って最初の試合、しかも有観客でしようもない試合を見せて!」
「こ、言葉が過ぎるよ」
「それくらい言わないとやってられないわ! ああもうっ」
その場で地団太を踏む。
「とにかく何でもいいから勝ちなさい! 大型連敗お匂いがぷんぷんするわよ!」
「それはイヤだー!」