「さてさて、好調の2位、中日との対戦ね」
日程を見つめて結乃が言う。
「ここで勝ち越したいね!」
理衣が気合を入れて言う。
「この際、それはそれとして、大貫の二桁と大島を打たせないこと。もうそれだけでいいわ!」
「大貫投手には是非、二桁勝利してもらいたいもんね」
「何せ日本人右腕の二桁勝利は山口以来だっていうからね」
「随分と前になっちゃうんだね」
他のふがいない投手陣に、抑えるとはこういうことだと知らしめてほしい。
「まー、大貫だけ勝てばあとはいいわ。佐野の首位打者、最多安打を後押ししたいわね」
「何せ大島選手が絶好調だもんね!」
打席数的にも、安打数は大島の方が稼ぎやすいだろう。
あとは、佐野の打率が落ちてきていること。
「もう一分も差がないからね」
「打率は打てないと一気に下がるもんね」
「10月に入ってからの佐野の不調、大島の好調が如実に出ているわよね」
「大島選手は経験も豊富だもんね」
初めてのレギュラー、初めてのフル出場。
ここまで出来過ぎであるのは確かだが、ここまできたら獲得してほしいのも事実。
「でも実は3位に梶谷が上がってきているんだけどね」
「梶谷選手も10月は引き続き好調をキープ、安打数はちょっときついかもだけどね」
「9月みたいに爆発すればまだわからないわよ、あとは争う数字そのものが落ちればね」
「やっぱりタイトルを獲得してくれると嬉しいよね!」
選手にとっても一生残る勲章である。
苦しいけれど、だからこそ一年間戦って獲得したなら大きな価値にもなる。
「佐野には自分で打ってもらうしかないけれど、投手陣はなんとか相手の打者を抑えてね!」
「そもそも大島選手にはチームとしてよく打たれているからね」
「試合に勝つためにもね!」
シーズン半ばから中日にはかなりやられている。
来季に向けても、嫌なイメージを植え付けたい。
「特にナゴドで勝たないと!」
「頑張りましょう!」