「残り2試合だけど、間があいて暇ね」
結乃が退屈そうにあくびを噛み殺しながら言う。
「タイトルも決まらないしね」
理衣も頷きながら言う。
「そこで、現時点での来季の打順を考えてみたわ!」
「まだ何も決まっていないのに?」
ロペスの去就。
ソト、オースティンの去就。
それによって大きく変わっても来るだろう。
「それはそれとして、個人的にこうなったら良いな! っていうのを考えただけよ!」
「まあ、それも一つの楽しみだよね」
「ということで、こんな感じで!」
1.梶谷(センター)
2.神里(ライト)
3.オースティン(ファースト)
4.佐野(レフト)
5.宮崎(サード)
6.伊藤裕/牧(セカンド)
7.大和/柴田/倉本(ショート)
8.伊藤光(キャッチャー)
9.投手
「あれ、ソト選手は?」
「流出した前提で」
「ええーっ、ロペス選手は?」
「代打で。まあ、時にスタメンね。その際はオースティンが外野で」
「なんというか、えええ・・・・」
「オースティンもともと内野でしょ? 本人にも伝えてファースト練習してもらっておいて。外野は怪我が怖い!」
「まあ、ねえ」
「相手投手によっては、神里ではなくて細川ね!」
「それは楽しみな感じではあるけれど・・・・」
「ソトが残留の場合は、こうしようかしら?」
1.梶谷(センター)
2.大和/柴田/倉本(ショート)
3.オースティン(ライト)
4.佐野(レフト)
5.宮崎(サード)
6.ソト(ファースト)
7.伊藤裕/牧(セカンド)
8.伊藤光(キャッチャー)
9.投手
「まー、いずれにしても悩むのよね。ロペス出場時は、ソトはやっぱりセカンドね」
「はぁ・・・・」
「正直、ロペス、ソト、オースティン、佐野、宮崎、この5人同時ラインナップは厳しいと思うのよ、今季見ても」
「機動力的な面だね」
「オースティンはまだましだけど・・・・はっきりいえば、3人までね」
「だから、佐野選手、宮崎選手は確定として、オースティン選手ってことだね」
「そういうこと」
破壊力は落ちるかもしれないが、攻撃はホームランだけではない。
野球の質、そして世代も少しずつ変えていかなければならない。
特に、宮崎、梶谷の次の世代である。
「伊藤裕には牧と競争して、やがてはサードを担って欲しいわね」
「牧選手がセカンド、ショートに森選手!」
「森はまだ数年後でしょうけれど。本当は佐野をファーストにして、外国人野手の一人を外野で!」
「打って走れる外国人選手だといいね」
「まあ、妄想は広がるわよね!」