「ベイスターズ2年目の中井!」
結乃が声を張り上げる。
「すっかり定着したよねぇ」
なんとなく、しみじみとした口調の理衣。
「しかして、その成績は!」
#0 中井 大介
出場試合 : 69
打数 : 100
打率 :.250
安打数 : 25
HR : 2
打点 : 4
盗塁 : 1
「・・・・・」
「ちょ、無言って!」
「いやー、なんと評して良いか」
「なんと評するの?」
「25安打、HR2本で打点4て・・・・ねえ?」
なんともいえない表情をする結乃。
まあ、ねえ?
「ランナー無しの時とか、良いバッティングしている記憶はあった! チャンスで打席に立っていないのかしら?」
「どうなんだろう、そこまでデータを調べていないけれど」
「19年も打点7だしねぇ、そういうのを求める打者じゃないのかしらね」
「それはそれで困るけどね」
そうなのだ。
中井に求めているのはユーティリティ、そして代打として。
ならば、勝負強さが欲しいのだが。
「悩ましいわよね、かといって中井以上の誰かがいるかといえば、疑問符だし」
「どこでも守れるっていうのは強いよね」
「でも、内野もドラフト上位とかで強化しているし、この2年のような成績でいつまでも一軍にいられても困るわよ!」
「全体レベルアップしないとね」
中井を押しのけるくらいの選手に出て来て欲しい。
若手だとまだそこまでいないのかもしれないが、伊藤、牧と頑張ってほしい。
もちろん、ユーティリティの控えという意味ではない。
倉本や柴田といったところのポジションを奪うつもりでやって欲しい。
「中井はそれに負けないよう、ユーティリティだけじゃなく、結果を残さないとね」
「年齢も、野手では上の方になるしね」
「なので、45点ね」
「厳しい?」
「そういう立場なのよ!」
立ち位置的にライバルが少ないのかもしれないが、それでも、もうちょい、頑張ってほしいぞ。
この結果で一軍枠を一つ使い続けるのも、なんかなぁと思っちゃうからね!