「20年限りで契約終了になっちゃったわね、ロペス」
ややしんみりとした口調の結乃。
「最後までベイスターズに居て欲しかったけれど・・・」
理衣の口調も寂しげである。
「その話はもうしたからね、シーズンの成績よ!」
#2 ロペス
出場試合 : 81
打数 : 293
打率 :.246
安打数 : 72
HR : 12
打点 : 42
盗塁 : 0
「今季は調子も崩して2軍も長くいたから、出場試合数も少なくなっちゃったわね」
「ちょっと寂しい数字だよね」
「点数的には45点くらいで・・・・」
「HRや打点はこの倍近い数字を出してもおかしくないもんね」
「それでも1軍にあがってきてからは結構打って、なんだかんだHRも12本打ったのよね」
「まだまだパワーも健在だよね!」
確かに衰えはあるのだろう。
打率は2割5分は仕方ないとして、長打、打点を稼ぎたいところで、チームが望むほどにの数字には到達できないということか。
「というか、ソト、オースティンの数字の方が大きいからでしょうね」
「そこと比べちゃうとね」
「ファースト不在のチームなら、まだまだスタメンでいける力はあるはずよ」
「やっぱり、チームの状況、求めるところの違い、だよね」
と、これは戦力に関する話。
「でも、やっぱり、ここぞというところで打つ魅力は今季も健在だったわよね」
「9回、2アウトから同点ホームランとか打てるの、チャモさんだけだよね!」
「ロペスなら、もしかしたら、って思うもんね」
あの、カープ戦の3戦連発サヨナラ以降、ロペスにそういうイメージがついた。
それは、今シーズンでも見せてくれた。
「でもトータルで見ると、走力とか、そういうところもね」
「守備はまだまだいけるはずだけど、それを加味しても、ってことかー」
「内野の魔送球を捕球してアウトにしてくれるのは大きいんだけどね」
「来シーズンはロペス選手がいないことを前提にしないといけないからね!」
それでも、日本人選手扱いとなり、日米通算2000安打、日米それぞれで1000安打と、輝かしい結果を達成した。
他の外国人選手の面倒を見て、日本人選手のフォローや叱咤もして、本当に頼れる兄貴分だった。
その兄貴から、兄貴離れをしなければならない時期が来たと思おう。
「ロペスがいなくなったからチームがばらばらになったとか言われないようにしないとね」
「そしてロペス選手は新たな場所で絶対に活躍してください!」
「願わくば、いずれベイスターズに何らかの形で戻って来てくれると嬉しいわね」
「それは嬉しいね!」
それはどうなるか分からないけれど。
ロペスがいたことは本当に大きかった。
だから、いつでも待っているように、球団はお願いしたい。