「みんな大好き、大和ね」
悟ったような口ぶりでいう結乃。
「しぶいよね!」
ということで、FA獲得から3年目の大和である。
#9 大和
出場試合 : 85
打数 : 199
打率 :.281
安打数 : 56
HR : 4
打点 : 23
盗塁 : 3
「もともと試合数が少なくなったのはあるけれど、出場試合数が少なくなったわね」
「まあ、倉本選手の出場が増えた分、だよね」
「柴田の成長の部分もあるでしょうね」
「でも、まだまだ頼りになります!」
出場数は減ったが、それは休み休み出ているということでもある。
それが功を奏したのかは分からないが、シーズン序盤から打撃は悪くなく、打率も横浜に来てから一番良い。
打点も23と、試合数が減ったがそれなりにあげている。
「それに何より、ホームランを4本も打っているからね! どうしたのかしら?」
「横浜スタジアムとはいえ、今季より出場試合数の多い2018年、19年でもTOTAL2本だもんね」
「甲子園でも打ったし」
「打ち方が変わったっていうのはあるらしいよね」
大和に長打を求めているわけではないが、こういう一発がたまに出るというのは悪くない。
無理にホームランを狙うタイプでもないだろうし、色々なことがはまってHRが出るようになったのだろう。
「求めるのは堅実な守備、そして勝負強い打撃よ!」
「そういう意味ではどうだったのかな?」
「守備を求めているせいか、エラーするとなんか目についちゃうのよね」
「確かに、大和さんなら捌いてくれないとー! みたいに思っちゃうよね」
「33歳、年齢的にはベテランになってきて、ショートは厳しくなりつつある時期なのかもしれないけれど」
「まだまだ、お手本でいて欲しいよね!」
「今季の評価はなかなか難しいところだけど、及第の60点というところで」
「厳しいね!」
「求めるところは高く、これで満足してもらっちゃ困るからってことで!」
倉本、柴田といて、おそらく2021年も二遊間はこの3人で回すのが基本線になる可能性が高い。
その中で、どういう位置を確保していくか。
やはり、休みながら出場してもらう方がパフォーマンスは高い気はする。
本人は当然ながらレギュラーとしてずっと出場したいだろうが。
「そこも含めて、競争でもあるからね! 若手の押し上げだってあるかもしれないし」
「でも、そこはまだ譲らないでほしいね!」
「そりゃそうよ。三浦が監督となって、二遊間をどうしていくかは気になる所よね」
「投手出身だけに、ディフェンス重視ではないかと言われているけれどね」
「まあ、それはそうでしょうけれど、その中で誰をどこで起用するか、ね」
あまりに打てなければバックアップ要員にもなりかねない。
今季のような打撃を安定して続ければ、通年での出場も増えるはず。
まだまだ頼みますよ、大和!