「トライアウトから風張を獲得したわね」
今さらながらではあるが、結乃が言う。
「背番号は64、頑張ってほしいね」
理衣が頷きながら言う。
2014年のドラフト2位。
即ち、山﨑、石田と同期ということになる。
「期待するポジションは、当然ながら中継ぎよね」
「武藤選手みたいに、這い上がって貴重な戦力になって欲しいよね」
「中継ぎは決して万全じゃないからね」
山崎が復調するか分からない。
パットンは不在。
シャッケルフォードは状況を見てから支配下登録判断する。
抑え:三嶋(山崎)
セットアッパー:???
勝ちパターン(右):国吉?、平田? (シャッケルフォード)
勝ちパターン(左):石田、エスコバー
ビハインド:武藤
「ほら、全然浮かんでこない!」
「あれ、そんなにいなかったっけ?」
「あとは砂田、三上がどこまで戻ってくるか、齋藤あたりが出てこれるか、くらい?」
「うーん、確かにちょっと手薄かもね」
山崎の調子が戻れば、三嶋と二人で抑えとセットアッパーを担えるかもしれないが、勝ちパターンの右腕が国吉と平田では非常に不安定である。
「だから、幾らでも食い込む余地があるわよ!」
「まずはビハインドから入って、とかかな?」
「そうねえ、オープン戦次第かしらね、他の投手も含めて」
「是非、重労働のブルペンを助けてほしいね!」
ドラ2で力はあるはず。
トライアウトでも149キロを計測していたとか。
もちろん、球速が出れば良いというものでないことは分かっているが。
「失うもののない、崖っぷちの男の強さを見せてやれ!」