「さあ、2021年も始まったわね!」
年が明けても元気な結乃である。
「コロナが不安だけど、私達ではどうにもできないからね」
理衣は少し不安そうな顔を見せるも、前向きになろうとする。
「1月が終わればキャンプイン、オープン戦と、開幕に向けて動き出すからね」
「オフが短いから早く感じるよね」
「ベイスターズは三浦新監督となり、どんな野球になるのか? が気になる所よね」
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「良くとれば柔軟に、悪くとれば芯がない、と捉えられそうね」
「でも三浦さんらしいよね」
「まあね、プロとしては特別凄いところがないのを、地道な努力で生き抜いてきたから、ていうのはあるかもね」
「そして三浦さんの人格、性格だね」
自分に厳しく、他人に優しい。
それでも、98年の優勝チームを知っているだけに、ただ仲良しだけのチームにはしないだろう。
三浦自身、一軍に定着するために自分をアピールし、一軍選手の移籍や二軍落ちはチャンスと考えていたクチだ。
「得点力向上を三浦も口にしているからね、課題は理解していて、あとはそれをどう実現させるかね」
「言うのは簡単だけど難しいよね」
主軸を担う佐野、宮崎、オースティン、ソトに小技や機動力は望めないだろう。
三浦も、無理にバントや盗塁にはこだわらないといっているが、果たしてどうするか。
「それでも重要なのは意識改革だとは思うわ。先の塁を狙う姿勢、常に隙を見せず、相手の隙を見つけること。意味のある打席、アウトを重ねること、とかね」
「二軍監督の仁志さんも、考えさせたいって言っていたね」
「ただ打つだけ野球から進化しないとね!」
投手出身の監督については、あまり良い評価を聞かないのはある。
ゲーム全体を見て考えながらプレーするというのは、確かに投手より野手、それも内野手の方が意識が強いのはそうだろう。
だが、皆が駄目というわけではない。
「FA流出、ベテラン放出、エースの故障と、出だしから苦しいけれど、逆に成績が悪くても叩かれ辛い部分あるか、それをポジティブにとらえて監督としての勘所を磨いていっても良いと思うわ」
「ファンとしては応援するだけ!」
「三浦ならやらないと思うけれど、選手の個人攻撃さえしないこと、選手を甘やかないこと、それさえやってくれればいいわ!」
果たしてどのような野球を見せてくれるか。
不安はあるけれど、楽しみでもあるのは確か。
是非、見届けていきたい。