「横浜に戻ってきた高城ね」
なんともいいようの無い表情を見せる結乃。
「戻ってきたからには頑張ってほしいよね!」
手を叩いて理衣が応援する。
さて、復帰の一年は。
#36 髙城 俊人
出場試合 : 23
打数 : 42
打率 :.190
安打数 : 8
HR : 3
打点 : 5
盗塁 : 0
「やっぱり課題の打撃はまだまだだったわね!」
「最初は良い感じだったような気がするけれど」
「そうね、何しろ公式戦で1本だったHRをいきなり3本も打ったわけだけど」
「びっくりしたよね!」
「でも、最終的にはいつも通りの数字になっているからね!」
「うーん、残念」
三振が多いのも変わらず、42打数で22三振は多すぎる。
復帰前より多くなっているくらいだ。
「強肩強打の凄い奴はどこにいっちゃったのかしらね」
「もう10年選手になるから、そろそろねぇ」
「10年でこれじゃあ、もう変わりようないかもだけどね」
「うう」
「濱口の専属捕手的な感じで試合に出ていたけれど、そこで結果を出せたわけでもないしね」
「濱口投手の状態があまりよくなかったのはあるけど」
「もちろん、他の捕手でも同じだったかもしれないけれど、そこを期待されていたわけだからね」
「頑張ってほしい!」
捕手として厳しい立場にいることは変わらない。
守備位置的にはクビになりづらいところはあるが、2軍にいても仕方ないだろう。
「あとは監督が変わって捕手起用がどうなるか、よね」
「三浦監督は高城選手のことをかっていたもんね」
「引退試合で指名したくらいだしね。ただ、それだけで起用するわけじゃないのは確か。成長しないとね」
「なんとか強みが欲しい!」
「点数は難しいわね。戦力外からで、第三捕手的にベンチには入っていたわけで・・・・甘くみて50点ということで」
「難しいね、評価が」
もともと、不足している捕手という状況、チームを知っていること、濱口と相性が良いこと、そして人柄をかわれてのことでの復帰ではあると思う。
あとはどこまで、試合における戦力になるか。
その点で物足りないのは確か。
「とはいえ、捕手で誰かが圧倒的に決まっているわけではないのも確か。気合を入れなさいよ!」
「年齢的には脂がのっている時期、覚醒しちゃえ!」
キャラクターも明るく、気配りも出来る。
ベンチにいるだけで満足するなよ!