「京ちゃんね」
なぜか親し気に結乃が言う。
「京さまだね!」
なぜか様づけて理衣が言う。
#48 京山 将弥
登板試合 : 6
投球回数 : 29
防御率 :4.66
勝利 : 2
敗北 : 1
セーブ : 0
ホールド : 0
奪三振 : 25
「18年に6勝したときは、おおー! と思って、期待した19年は0勝6敗。壁にあたったかんじだったけど」
「20年は2勝を挙げました!」
「内容的にも、少し進歩はしたのかな? というところは見せてくれた気がするわ」
「勝ち星を挙げられたのは、投手としては気持ち的にも大きいよね」
0勝で終わるよりは勝ち星があった方が良い。
打線の援護で勝ったものだとしても、未勝利でシーズンを終わるのとは雲泥の違いだろう。
「点数的には40点くらいだけど・・・・」
「期待しているってことだよね」
「次は大卒ルーキーと同じ年になるってことよね。勝負がかかってくるわね」
「負けていられないよね!」
とにかく高卒の投手が育ってない。戦力になっていない。
先発となれば山口以来、いないのではなかろうか。
京山には、それを打破してもらいたい。
「球速はあがっているから、あとは変化球のキレとか?」
「スタミナは徐々に付けられればってところ?」
「ないことはないはずだけどね。同時につけながらってところね」
「21年こそ本当のブレイクを期待したいね!」
幸か不幸か。
外国人投手が来日できず、井納がFAで抜けた。
今永、東もいない。
先発ローテを狙うのに、これほどチャンスはない。
大貫、平良、上茶谷、濱口。
これに続いてくるのが、坂本、入江、京山、阪口、といったところか。
「本当にチャンスだからね、ここを狙わずにいつ狙うの!」
「今でしょ!」
「古い!」
「いや、でも・・・・」
いつまでも若手ではいられない。
そしてチャンスはいつまでもあるものではない。
この機を逃すな。