「ファン感で活躍した山本よ!」
仁王立ちの結乃が言う。
「そこを強調する?」
理衣は呆れたようである。
「残念ながら、他で目立っていないからね」
#50 山本 祐大
出場試合 : 2
打数 : 3
打率 :.000
安打数 : 0
HR : 0
打点 : 0
盗塁 : 0
「捕手は伊藤、戸柱、嶺井、高城といたからね、一軍にあがるのもなかなかだったわね」
「打数も少ないし、数字的にはどうしようもない感じだね」
「二軍では打率.274と、それなりに数字は出しているのよね」
「成長はしています!」
「とはいえ評価は難しいわね。。。。45点で」
「評価に苦しんだのが分かる点数だね」
「そう?」
「捕手というポジション的に難しいけれど、次のレギュラー候補であることは間違いないからね」
「戸柱捕手、嶺井捕手とは年齢差もあるもんね」
「高城がどこまで入り込んでくるか、はあるけれど、球団としては次世代の保守としては山本に期待しているでしょ」
「強肩で、打撃も期待できそうだもんね」
自主トレでは阪神の梅野に弟子入りし、その肩の強さは梅野にも認められたとか。
もちろん、肩の強さだけで全てが決まるわけではないが、武器を持っているのは大きい。
「打撃も、いきなりホームランを打ったり、最後の野手としてサヨナラタイムリー打ったり、持ってる感もあるわよね」
「キャラクターも明るいしね」
「キャッチャーって濃いキャラが多いのかしらね」
「まとめていかなくちゃいけないし、そうなのかもね」
21年は大卒一年目と同じ学年ということになるのか。
キャッチャーだけに、まだ時間はかかるだろうが、そろそろ一軍にある程度定着する期間が欲しい。
「やっぱり、一軍の真剣勝負の場でリードして、打者と対戦してこそ得られるものもあるでしょうからね」
「そういう場数も必要だ、ってことだよね」
「育成しながら勝負するのは難しいのは分かっているけれど・・・・それを言わせないような何かがあるといいけれど」
「以前の高城選手のように、まずは特定の投手を相手に、というのでもいいよね」
「そうね。そういう点では2軍で一緒にやっていた京山、阪口あたりと組んで結果を残せるかよね」
一軍のキャンプメンバーに選ばれた。
紅白戦などで組むだろうから、そこでうまくリードできるか。
キャンプ前半で大きなアピールをしたい。
「壁を乗り越える活躍を期待したいわ」
「まずはキャリアハイを!」
一軍で結果を求める!