「さあ、一皮むけた感じの平良よ!」
結乃が天を指さしていう。
「安定感が凄かったね!」
理衣も勢い込んで言う。
FAの人的補償から4年。
確実に、充実したシーズンを送るようになってきている。
#59 平良 拳太郎
登板試合 : 14
投球回数 : 81 1/3
防御率 :2.27
勝利 : 4
敗北 : 6
セーブ : 0
ホールド : 0
奪三振 : 65
「勝ち星はともかく、全ての数字が良くなっているからね!」
「特に開幕後、連続QSを続けていたもんね!」
「勝ち星が伸びないのは打線の巡り合わせとかもあるからね。それにしてもホントに伸びなかったけれど」
「それでも皆、ちゃんと見ているからね!」
打線の援護がない。
これにつきるだろう。
「でもね、防御率もそうだし、大体6イニングは投げられるようになっていたし」
「そうだよね、登板数は少なくなっても、イニング数は19年より増えているもんね」
「それでいて被本塁打数は3と少ないしね」
「安定、それにつきるね!」
低めへの制球。
それだけでなく、ストレートにも球威がついて、スタミナも徐々についてきた。
一気に成長するタイプではないのかもしれないが、毎年コンスタントに成長する姿はなんだか嬉しくなる。
「途中で離脱したように肉体的な部分の強化はもっとして欲しいけれどね」
「チームとしてはきついもんね」
「離脱もあったので75点ってところね」
「なんとか、1シーズンを投げ抜いて欲しいよね、まずは」
そう、そこを経験してくれないとその先の成長がない。
一年間、戦うことのできる体力と、強い体を、オフの間に作り上げて欲しい。
「右腕に関してはこの平良と大貫、二人が両輪となって欲しいわよね」
「タイプも異なるからいいよね」
「当然、上茶谷、入江といったところにも負けずに頑張ってほしいけどね」
「うーん楽しみ!」
ほんわかのんびりとしていて、独自の沖縄時間が流れているような平良。
だが、マウンド上ではきっちり相手に対して攻めていってほしい。
「21年は本当に1シーズン戦いぬいて、チームの中心になるんだってくらいになってほしいわね」
「それだけの力はあるはず!」
「目指せ、斎藤雅樹!」
「期待しかない!」
ホントだよ!