「育成の宮城ね」
見守るような表情で言う結乃。
「はやく支配下登録されるといいよね」
うんうん、と頷く理衣。
そんな育成の宮城の2年目の成績である。
#100 宮城 滝太
登板試合 : 12
投球回数 : 64
防御率 :3.09
勝利 : 5
敗北 : 4
セーブ : 0
ホールド : 0
奪三振 : 33
「2軍の先発できっちり成績を残してきているわよね」
「イースタンでは最多勝を獲得!」
「いやー、楽しみだわ」
「それも、BCリーグの神奈川フューチャードリームスへ派遣されている期間がありながら、だもんね」
「球団としても色々と経験させているのは期待もあるからでしょう」
「支配下登録まったなし?」
成績を見る限りは三振を奪うというよりも打たせて取るタイプか。
この調子で順調に成長してほしい。
「2021年は外国人選手はいつ来日するか分からない、怪我人もいる、ということで支配下登録される可能性もあるわね」
「焦って登録はして欲しくない気もするけれど」
「でも、どんな状況でも支配下登録されるのは良いことよ。プロとしては、そこからがスタートだからね!」
「支配下登録されるってことは、一軍で出場させたいってことだし、頑張ってほしいね」
「なんといっても、嘉手納町出身だからね!」
「確か去年も言っていたね」
「何回でも言うわよ! でも、だからって二軍キャンプの嘉手納にずっていていいわけじゃないからね!」
「それは当たり前」
「嘉手納の星として、嘉手納を巣立ってほしいわね」
「そして、横浜スタジアムのマウンドに!」
正直、若手右腕としては一番期待しているかもしれない。
なぜか、そう思ってしまう。
何が凄いのか分からないけれど。
「とにかく目標は、今季中とまでいわなくても、今季の成績をもって支配下登録ね!」
「きっと、いけるはず!」
「育成の選手は、点数はなしにしましょう」
「手抜きだ・・・・」
待っているぞ、宮城。