結果:横浜7-11ロッテ
敢闘選手賞:大和
「なんじゃこの試合は!」
結乃が吐き捨てるように言う。
「うーん、まさに投壊という試合だったね」
理衣も肩を落としている。
「なんであたしが現地観戦に行くとこんな試合ばっかりなのよ!」
「現地で勝ち試合、ずっと見ていないもんね」
とほほである。
この試合は伊藤光の休養日。
天候もあやしかったし、そういう日は必要なのでそれ自体は問題ない。
が、そういう日にこういう試合を見せられると、やはり伊藤の存在が大きいのかと思わせられる。
「もちろん、捕手の問題以前に京山だけどね」
「せっかくのチャンスだったのにね」
「3回5失点! 全部ホームランでの失点!」
「風も強かったし、難しかったのはあるかもしれないけれど・・・」
それにしても、どうしようもなかった。
「これはまた2軍ね。他の投手に大迷惑だわ」
「後続の投手もみんな打たれちゃったね」
「砂田だけだったわね」
「ロッテ打線が好調??」
もちろん、各打者の振りが鋭いのはあるのだろうが。
それにしても毎回のように打たれて失点である。
「あーもう、忘れるわ! 大和が3安打4打点と気を吐いたことだけ記憶に残すわ」
「守備でも良いプレイを見せてくれたしね!」
「得点圏の強さは維持! 他の打者もとりあえず1本は打ったから、それを2戦目に」
「2戦目はなんとしてでも勝たないとね!」
投げるは濱口。
今、先発陣でもっとも安定している。
課題の初回さえ乗り切れば、ある程度は期待できる。
「特にパリーグには強いところを見せて頂戴!」
「長いイニングを投げて欲しいね」
「打撃陣は早い段階で援護をして楽に投げられるように」
「相手も強敵、美馬投手だけど」
「大丈夫、きっとうちの打線は得意なタイプよ! と理由もなく言っておくわ!」
「そうなると良いけれど」
更に5日は、延期になっていた石川の引退セレモニーの日。
それを、黒星で実施するわけにはいかない。
選手の皆、燃えてくれ。
「次こそ、現地観戦勝利よ!」
「石川さんを見るのも楽しみ!」
気持ち良く引退セレモニーにいかせてくれ。