結果:横浜4-3ロッテ
敢闘選手賞:大和
「大和ぉーーーーーーーっ!!」
結乃の絶叫がこだまする。
「さすが大和さんっ! 本当に決めてくれたっ!」
理衣ももろ手を挙げて喜ぶ。
二人、ハイタッチを交わして勝利を祝う。
そんな人も多かっただろう。
交流戦最後の横浜スタジアム、そして前半戦最後の横浜スタジアムの一戦を。
今季初のサヨナラ勝ちで収めた。
「なんといっても大和! 9回裏、2死2塁で回って来た時は絶対に申告敬遠だと思わったわよ」
「1、2戦目でも得点圏で打ちまくっていたもんね」
「代打で左が出てくるのを嫌がって右対右にこだわったのかしら? どっちにしてもこちらとしてはラッキー、代打山下より大和の方が絶対に可能性高いもん」
「そして期待通りに打っちゃう大和さんも凄い!」
「全身守備と来れば、その頭を越すのが大和ってもんよ!」
インコースに難しい球がきたが、あれを上手いこと捌くのが大和。
打った瞬間、これは頭を越えるだろと思った打球は、想定通りにレフトオーバー。
まさに思い描いた通りのサヨナラを見せてくれる大和の凄まじさよ。
正直、大和敬遠で代打山下勝負か、まぐれでも起きないかな、まあまず難しいだろうなあ。
と思っていただけに、本当に大和で勝負してくれてありがたかった。
「あと、大和が打った後の伊藤光の喜びようが可愛かったわね」
「ぴょんぴょん跳ねて、あんな光さん初めて見たかも?」
「チームでは年長に入るベテランがあれだけ気合と勝利への執念を見せて、本気で喜んでくれるのが嬉しいわよね」
「大和選手のバットを拾っていた牧選手も可愛かったね」
「これでロッテにも勝ち越し! 交流戦も首位タイよ!」
「うーん、これは本物かな?」
「まあ、まだ交流戦も終わったわけじゃないし、手強い相手のホームで6連戦だからね、一つ一つよ」
「そうだよね、自信は持って良いけれど、過信しちゃだめだよね」
パリーグも徐々に盛り返してきた。
最後の一週間、ホームでセリーグを待ち受けるだけに、気合も十分だろう。
「さて、大和ばかり言ったけれど、今永が大分状態もあがってきて6回1失点ね」
「良い時に近づいてきたかな?」
「まだ圧倒的な感じではないけれどね」
「今永投手が戻ってくるとやっぱり違うよね」
ロッテ打線も好調で、粘られて球数も多くなって6回までとなったが、それでもきっちり抑えてはくれた。
次回以降も期待したい。
「その今永に勝ちを付けられなかったのは、康晃! まあ登板数重なって仕方ない部分もあるけれど、2死から3連続2塁打はちょっとねー」
「さすがロッテのクリーンナップともいえるけれど」
「まあねー。エスキー、康晃と打たれ始めているからね」
「この6連戦も大変だったもんね」
特に三嶋は6試合で5登板?
接戦の勝利ばかりだったから仕方ないとはいえ、やはり心配になる。
「打線はオースティンと牧が得意の一発攻勢! それ以降は相手の小島も好投で抑えられたけれど」
「二人とも打った瞬間! という当たりだったね」
「心配なのはオースティンが次の打席で腰か何かを痛めた様子を見せたこと? 無理しないで! 故障したらチームも終わりだから!」
「オースティン選手が4番でどっしりしているからこその打線だもんね」
「いやマジで、ちゃんと診てもらって無理せず休ませて!」
ファンは誰しも思う所だろう。
「さあ、交流戦最後の1週は所沢、札幌への遠征、勝ち越してきてほしいわね!」
「でも、まずは目の前の一戦、だね」
「そうね、相変わらず先発が不安に変わりはないからねぇ。とにかく一つずつ!」
次に横浜に戻ってくるときには、良い順位になっていることを期待したい!