結果:横浜10-2阪神
敢闘選手賞:大貫、牧
「おおおっ、なんとサイクル達成!」
結乃が興奮で叫ぶ。
「凄い! もってるね!」
理衣も拍手している。
9回の最終打席で見事にサイクルヒットを達成した牧。
ルーキーでのサイクルヒット達成は史上初だとか。
「最後に残っていたのが三塁打だからね。広い京セラドームとはいえどうかと思ったけど」
「もっている感じだよね!」
「当たり的にはそんなよくないし、ヒットになるかという当たりかと思いきや」
「とんだところが良かったよね」
ライトのライン際に飛んだ打球は、佐藤も判断に迷ったようだ。
この辺、外野守備が決して上手とはいえない佐藤のところに飛んだのもついていた。
大きく弾んだ打球の処理に手間取る間に、牧は三塁まで悠々と達していた。
「サイクルってことも凄いけれど、打ったのも中押しの3ランに、ダメ押しのタイムリーだからね」
「9回の三塁打もきっちり得点したし」
「まさに大暴れ! 打率も盛り返してきたわね」
「後半に入って、スタメンが少なくても結果を残しているのが凄いよね!」
調子を落として打率も.270くらいまでの時期もあったが、.292まで盛り返してきた。
「新人王のライバルが強敵すぎるけれど、最後まで頑張れ!」
「なんとか獲れると嬉しいね!」
10点も取ったのだから打線も活発。
「伊藤光がきっちり2安打2打点!」
「2番に入った蛯名選手も2安打1打点とアピールしたしね」
「オースティンの復帰がまだの今、チャンスだからね!」
「更に先発の大貫投手が先制のタイムリーだしね!」
「あれは大きかったわね」
何せ相手は苦手中の苦手、伊藤である。
ルーキー相手にこの日も抑えられたら、何をしているんじゃということになるなかで、投手の大貫がタイムリーで切り開いた。
「投球も安定して、6回2失点にまとめたわ」
「初回のピンチを抑えたのが大きかったね」
「3回も、失点した後をきっちり抑えたし、こういう投球をしてくれるとね!」
「後半戦、まだまだこれからガンガン勝ってもらわないとね!」
昨シーズンの大貫が戻ってきたか。
あとは7イニング以上を投げてくれれば、というところである。
「酷い内容の初戦からどうなるかと思ったけれど、これは良いわね!」
「このままカード勝ち越しを!」
「阪神に相性の良い坂本か。さて、どうかしら」
「打線は、二けた得点した勢いを殺さないように!」
2カード連続勝ち越せば少し勢いが出る。
上位をいじめよう!