「ドラフトよ!」
元気よく結乃が言う。
「今年は時期が早いですね!」
理衣もテンション高く言う。
「そして、2021年ドラフトの結果はこうよ!」
「じゃーん!」
1位 小園健太(投/市立和歌山高)
2位 徳山壮磨 (投/早大)
3位 粟飯原龍之介(内/東京学館高)
4位 三浦銀二(投/法大)
5位 深沢鳳介(投/専修大学松戸高)
6位 梶原昂希(外/神奈川大)
育成1位 村川凪(外/独立・徳島)
育成2位 東出直也(捕/小松大谷高)
育成3位 大橋武尊(外/独立・茨城)
「おおおおおっ、ドラ1競合してクジで当てたーーーーーっ!?」
絶叫する結乃。
「すごい! さすが三浦さん!」
「いやいや、三浦なんて絶対にくじ運ないだろうから外すと思っていたわ」
「酷い言いようだね」
「でも外れ一位以外でクジに当たるなんていつ以来かしら? 覚えていないわ!」
「それくらい凄いことだね」
「クジを当てた時のスカウトたちの様子とか、選手の様子とかも動画に上がっていて面白かったわね」
「スカウトさんたちの一年の苦労が報われた瞬間でもあるね」
高校生ナンバーワンとも言われている小園。
クジの後の本人の表情を見ると横浜は本命ではなかったみたいだが、拒否するほどではなさそうだった。
好きな球団に入れないのかもしれないが、是非、頑張ってほしい。
「てゆうか、ドラ1で高校生投手を指名するなんてねー、感慨深いわ。松坂以来?」
「競合覚悟でいけたのも、ドラフト2位指名が12球団でトップというのもあったのかもね」
「そうね、おそらく外れ一位、もしくは2位で即戦力投手の予定だったんでしょうね」
「そこに徳山投手! 期待できるのかな?」
「あまり詳しくないけれど、前評判の高かった廣畑が3位指名だったから、スカウト的には徳山の方が上、あるいはプロ向きとの評価なんでしょうね」
「ようこそです、徳山投手!」
「そして3位には、高校生ショート粟飯原! 森のライバルね」
「名前が読めなかったよ・・・」
「あいばら、だってね。森がいるけれど、あえて近い年代で刺激させるのかしらね」
「評価も高いってきくしね、将来の内野が楽しみです!」
「体も大きいし、森とは異なるタイプの大型ショートって感じね」
「ぜひ、二人で競いあって伸びてほしいね!」
危機感がない、自分が安泰だと思うと人はどうしても緩みがちになる。
自分がいながらドラフト上位で高卒ショートを獲得したとなれば、森も改めて気合が入るだろう。
そして4位。
法政。
三浦。
銀二。
色々と横浜向きか(最後のはわからないけれど)
「こちらは制球力タイプ? でも法政枠で名字が三浦じゃあ、期待しちゃうわね」
「ぜひ、監督を超えるほどの活躍を!」
5位は珍しく、高校生で技巧派サイドハンド右腕という深沢。
6位には身体能力の高い左打外野手の梶原。
特徴のある選手をそろえてきた。
「育成の3人も、スカウトの目に何か留まるものがあったからこその指名だから頑張ってほしいわね」
「育成の二人も含めて、野手の4人はみんな足が速いみたいだね」
「弱点を補うドラフト戦略ってことよね」
「足が速いだけじゃなく、支配下の二人はスケールも大きそうで、打てて走れて、っていう選手を目指してほしいね」
「逆に育成の二人は、まずは足のスペシャリストとしてアピールして支配下を目指す感じかしらね」
「みんな、入団してくれると嬉しいね!」
横浜は若いチームであり、チャンスも色々とあるはず。
是非、チームの力になり、チームを強くする一員になってくれることを願います!