「今年のファンフェスも盛りだくさんだったわね!」
満足感漂う疲労に浸りながら結乃が言う。
「本当に、全部見切れないよね!」
理衣も笑顔で言う。
何せ、
- ニコニコでメインステージ
- Youtubeでトーク系イベント
- ベイプラでわちゃわちゃと自由に
そんな感じで三元中継。
当然、イベントが重なることもあって、全部を見ようとしてもそれは無理な話。
「画面を二つ用意して、さらにスマホでベイプラ見ていたもんね」
「メインでみたいところ以外はミュートにしたりして、もう、大変だったわよ!」
とはいえ、メイン会場だけでは待ち時間も多いのも事実。
それに、オンライン系の方が選手の素顔を見られたりもする。
「全部はとても話せないから、いくつか見繕っていくわね。まずはやっぱり、新入団選手発表!」
「背番号も発表されていたけれど、やっぱりファンの皆の前で姿を見せるとまた違うよね」
「今年はそれに加えてなんと、各選手向けにビデオメッセージがあるという!」
「学校の仲間だったり、監督であったり、嬉しいサプライズだったね!」
「ニコニコだと配慮してかビジョンを映してくれなかったのが残念だけど」
「でも、こういう企画はとっても良いね!」
挨拶の時は緊張気味の表情だったルーキーたちも、ビデオメッセージではニコニコ笑顔を見せてくれた。
やはり、仲間たちからのメッセージは嬉しいだろう。
「トークイベントでは、89年組、95年組の、同級生トークね」
「同学年だけに、気の置けない話ができるのは良いよね」
「でも89年組、伊藤光ばっかりに話させすぎよ!」
「まあ、キャラクターもあるんだろうけどね」
「95年組はまんべんなく話せた感じね」
「MCの荒波さんも慣れてきたころだったかもね」
「一方でスタジアムでのイベントでは、やっぱりピクトグラムね!」
「ああ、あれは面白かったね」
「どれだけできるかと思ったけれど、入江と池谷が頑張ったわ! まあ、ピクトグラムっていうか単なるジェスチャーゲームだったけどね」
「でも、曲をジェスチャーで当てるっていうの難しかったけれど、二人とも上手だったよね」
「ただ、最後に二人ともちゃんと顔を出させてあげればよかったのに・・・」
「あれは可哀想だったね、頑張ったのに」
「しかも、上茶谷の物まねクイズにもっていかれるし」
「あれは・・・なんて言ってよいやら」
苦笑する理衣。
とりあえず、ピープルズにはちゃんと事前に了解を得ていないとまずいぞ!?
「上茶谷は大喜利王でも持っていったみたいね」
「さすがだね、でも見られなかったんだよね」
「だって同時刻に裏で新コーチ4人のトークコーナーがあったんだもの! そりゃ仕方ないわよ!」
斎藤、石井、鈴木、相川の4コーチを招いてのトーク。
しかもその後、メイン会場の方でも同様にトークを行い。
コーチだけでコーナーを作ってしまうファンフェスというのも非常に珍しいのではないだろうか。
それだけ、ファンが喜び、注目してるということでもある。
「まーでも、持って行ったのは牧かしらね」
「ベイコレだね!」
「やっぱり神奈川ナンバーワンの牧ね!」
「寒そうだったけれど、大丈夫だったかなー?」
「牧プロデュースメニューも決まったし、色々と盛り上げてくれたわ!」
そして何気に楽しかったのがベイプラで若手を呼んでのゲーム大会。
負けた選手が罰ゲームで物真似か一発芸。
まだまだ一軍定着前の若手選手たちの素の姿を見られたのはなかなか興味ぶかかった(東とかもいたけれど)
「今年は日本シーズが後ろになったから12月開催と寒かったけれど、中身は頑張ったわね」
「盛り上げてくれる選手もいるしね」
「そして大和は相変わらず爆笑だしね」
「笑い上戸の大和さん、いいよねー」
ファンフェスでも、来季に向けての楽しみを見せてくれた。
特にコーチ陣のトークでは、石井が
「練習させます!」
と言い切っていたのが頼もしい。
優勝するチームはやっぱり練習している。
練習させてほしいと言われているので、練習させると。
楽しみである。
「そうそう、コーチトークといえば、コーチに誘われた時期とか面白かったわね」
「石井さんや相川さんは2年、3年前に声を掛けられていたんだね」
「既に巨人に決まっていたってのはうそではないでしょうけれど、やっぱり色々とあって今、戻ってきたという気もするわよね」
「斎藤さんも、夏の終わりごろに声をかけられてずっと断っていたっていうのも驚きだね」
「その後、何があったのか。どう説得されたというか口説き落とされたのか気になるけどね」
「どうしてそんなに熱心に誘われるんだろう? って思って、でも新しいコーチ陣がわかったとき、「ああ、そういうことか」って思ったってのもなんか面白いね」
「球団の努力が実ったわけね」
さあ、楽しいイベントは終了した。
オフを過ごし、春のキャンプで頼もしい姿を見せてほしい!