「これまた嬉しいニュースが飛び込んできたわよ!」
結乃が拳を握りしめて言う。
「それもビッグニュース!」
理衣も喜びをおさえきれないよう。
「なんと、藤田の獲得、入団が正式に決まったわ!」
「前にもニュースに出ていたけれど、今回は確定情報だね!」
「トレードで楽天に行って以来、10年ぶりの復帰よ! 背番号は3!」
「嬉しいね!」
暗黒期だった横浜を希望して入団してくれた藤田。
守備はもともとよかったが、課題だった打撃も改善して3割を打つようになり。
DeNAとなりこれから! というところで涙のトレード。
当時のチームは足を使える選手が欲しかったという事情はあったかもしれないが、本人もファンもやはり寂しい思いをしたのではないか。
「楽天でコーチ残留の依頼をうけたけれど、現役続行にこだわって退団したところを、きちんと獲得しに行ったわね!」
「あの守備だけでお金がとれるよね」
「もちろん年齢的に守備範囲とかどうなのかとか疑問はあるかもしれないけれど、そこは結果で見せてくれるでしょう」
「若手のお手本にもなるよね」
斎藤、石井、鈴木といった、年上のコーチ陣が戻ってきて。
相川、藤田といった年下だったメンバーも戻ってきた。
会社がチームを、三浦を完全バックアップしている。
「若い牧、森といったメンバーはもちろん、太和や倉本、柴田だってお手本になるからね」
「石井さんもいて強力だね!」
「石井は野手総合でもあるから、守備のコーチの負担を減らせるのもあるでしょうね」
コーチとして動けなくても、実際に目の前で現役選手として守備を見せ、アドバイスを送ることができる。
それだけでも大きいだろう。
「さらに藤田だけでなく、日ハムの大田の獲得も調査しているとか」
「選手層は厚いにこしたことはないもんね」
「外野もオースティン、佐野、桑原がいるけれど、その次となるとがくっと落ちるからね」
「本当に獲得するかどうかはまだわからないけれど、もし入団することになれば頑張って欲しいね」
さらにFAした又吉もアタックするとか。
こちらは相手を考えるとなかなか不利だが、誠意を見せて精一杯頑張って欲しい。
「又吉がくれば、康晃と二人でダブル広報になるしね!」
「それは楽しそうだね!」
「まー、野球で見せてくれって話だけど」
「でも想像するのは自由だし!」
なんにせよ、オフの動きでこれだけワクワクするなんて、昔から思い出しても初めてかもしれない。
「さー、あとはオースティンよ! 良い条件を出してあげて!」
「本当にお願いします!」