「大田の獲得が確定したわね!」
ニュースを見て結乃が言う。
「本当に動きがはやいね!」
理衣は少しびっくりした感じだ。
日ハムからノンテンダーとして自由契約となった大田。
DeNAが獲得調査をしているという情報がこの前に入ったかと思うと、とうとう入団も確定した。
今季のオフ、本当に球団は積極的に動いてくれている。
「年俸も推定5,000万と、これなら破格よね」
「GG賞も受賞しているしね」
「今季は数字を残せなかったとはいえ、年齢的にもまだまだ老け込むところじゃないしね」
「外野手は沢山いるけれど、競争がまた激しくなるね」
成績だけみれば佐野、桑原、オースティンは動かせないが、そのあとに続く外野手がいない。
また三者にしても、守備が駄目な佐野、複数年連続で活躍した実績のない桑原、怪我の多いオースティン。
割って入れる可能性だってある。
「打撃だって、コーチとして石井が戻ってきて、指導して向上する可能性は十分にあると思うしね」
「肩も強いし、足だってあるしね」
「札幌ドームでHR20本打っているから、横浜なら30本打てるかもだし」
「夢は広がるね!」
「まあ、今季の何が駄目で、どうすればよいのかを考える必要はあるけれどね」
「環境が変わって、一気に変わるかもしれないしね」
「それに、ソトが今季のような状態なら、オースティンか佐野を一塁にまわして大田を外野スタメンも十分にあるわよ」
「外国人も聖域ではないってことだね」
「あたりまえ。21年は選手層が薄くて、他を出すくらいならソトの方が大きいの打てる可能性あるだけマシ、というレベルだと思うし」
「チームとして色々なオプションを検討できることにもなるね」
もともと、東海大相模から巨人に入り、関東の方での生活にも支障はない。
おおらかな球団体質だから、やりやすい部分もあるだろう。
若いチームにあって年齢的に上の方になってくるが、それが自覚を促してくれるとも思いたい。
「あとは大きな声を出すとか、今まで横浜にいなかっタイプかもしれないしね」
「色々と楽しみになってくるね!」
「もちろん競争を勝ち抜くことが前提だけど、持っている能力的には一軍帯同で問題ないからね」
代走からの守備固めでも、他の選手と比べて抜きんでている。
頭角をあらわさない外野陣は、さらなる向上をしないと一軍帯同も厳しくなるだろう。
「外野手は5人から多くて6人だろうからね、一軍は」
「3人が問題なく確定としたら、残るは2枠とかだもんね」
21年の成績からすると、代打で成績をある程度残した楠本が少しリードしているかいないかくらいだが、それもキャンプ、オープン戦でリセットされるだろう。
伸びない神里、関根、細川、蛯名は、どうするか。
さらにルーキーで梶原も入ってきた。
「外野サバイバルね!」
「うーん、チーム力UPにはよいけれど、ファンとしては悩ましい!」
いずれにしても、チームに良い刺激を与えてほしい。
背番号は「0」かな?