2021年振り返り #35 便利屋としてやや復活したか 三上 朋也
「投手陣では最年長? ベテランになってきた三上ね」
結乃がデータを見ながら言う。
「まだ若いんだけどね」
理衣は苦笑いである。
32歳の三上。
来季でもまだ33歳、バリバリやってもらいたい。
#35 三上 朋也
登板試合 : 40
投球回数 : 35
防御率 :3.86
勝利 : 2
敗北 : 1
セーブ : 0
ホールド : 3
奪三振 : 25
「手術からあけての昨季はなかなか満足いく投球にはならなかったけれど、今季はそこそこ投げられたわね」
「登板数も40まで増えたしね」
「以前のような勝ちパターンではないけれど、便利屋的なところで色々と起用されて」
「そういう存在も大事!」
かつての、動いて打ちづらいストレートではない。
武器が弱くなった分、勝ちパターンでの登板は少なくなったが、テンポの良い投球は存在。
年俸も微増を勝ち取った。
「基本は右打者相手、どんな場面でも登板してって感じね」
「なんだかんだマウンド上で姿を見ると安心するね」
「安心っていうか・・・まあ、滅茶苦茶崩れるって感じでもなく、かといって圧倒的安定感でもなく」
「テンポがよいからイニングが早く進むのはよいね」
「中継ぎは厳しいポジションだけど、なんだかんだ毎年のように同じようなメンバーが投げているのよね」
「そういう意味での安定感を持っているよね」
「年齢がかわり、投球スタイルがかわり、それでも生き残っていかないといけないからね」
「来季もブルペンリーダーとして期待したいね」
「若手の中継ぎも必要だし、そういう選手を勇気づけられるように」
決して安泰な立場ではない。
競争して勝ち取らないと開幕一軍だってわからない。
それでも、なんだかんだで一年間、頑張ってくれそうな気がする。
「点数的には60点、て感じかしら」
「まだまだ上にいけるはず!」
「新たな三上の姿を確立してほしいわね」
頼みます。