2021年振り返り #38 開幕で鮮烈デビューもそれだけで終わってしまった 田中 俊太
「梶谷の人的補償できた田中俊太ね」
なんともいえない表情を見せる結乃。
「ベイスターズ一年目、色々とね」
理衣は笑みを崩さない。
#38 田中 俊太
出場試合 : 58
打数 : 48
打率 :.146
安打数 : 7
HR : 0
打点 : 8
盗塁 : 0
「開幕戦では見事な活躍を見せてくれたけどね!」
「あの試合はすごかったね」
「古巣の巨人を相手に大活躍!」
「今後の活躍も期待できそうだったね」
「それがまさか、開幕戦だけで終わるとはね」
「…………」
鮮烈なベイスターズデビューを果たしたのはよかった。
だがその後は全くといってよいほど何も印象に残っていない。
「開幕戦で3安打猛打賞して、シーズン通してまさか7安打で終わるとは思わなかったわね」
「どうしちゃったんだろうね」
「これが実力だったのかもしれないけれど。最初が華々しかっただけに、ねぇ」
「本人もそれはわかっているはず!」
その後は代走や途中の守備から入るなどはしたが、貢献度が高かったかと問われれば、首をかしげざるをえない。
「ということで点数は30点ね」
「頑張ってほしいね」
「内野はさらに厳しくなるけれどね」
「ライバルも多いけれど、その競争がチームを強くするって三浦監督も言っているからね」
本職のセカンドでは牧が台頭したので、そうそう出番はないだろう。
代打、代走、複数ポジションの守備というのはあるが、そういう選手は他にもいる。
ならば打撃をさらに向上させないと厳しいか。
「立場的に楽ではないけれど、それはどのチームも同じ! 勝ち抜くしかないのよ!」
「頑張ってください!」
人的補償で来てよかったと思えるようになってほしい。