「2022年のスローガンが決まったわよ!」
Youtubeの配信を見終えた結乃が言う。
「待っていました!」
理衣が拍手で盛り上げる。
「まー、分かりやすくていいんじゃないかしら?」
「最下位からの反撃だね!」
「反撃だと優勝っていうイメージに届かないんだけど、そういうことじゃないからね!」
「自分で言っておいて・・・」
這い上がる。
そういう意味では良いのではないだろうか。
辛酸をなめた10年目。
また新たな一年を踏み出すということもある。
初めてCSに出場したあの年。
歴史と共に今反撃開始
この言葉は今も忘れない。
このところAクラスにそこそこ入れていたから、自分たちは強いと勘違いしていた部分はなかったか。
NPBの中で最も優勝から遠ざかっている球団だということを忘れずに、やり返そう。
「トークイベントでは、大田がいたのが意外だったわね」
「新戦力の選手を呼んでいたのか。藤田選手は来られなかったみたいだけど、ビデオメッセージあったしね」
「そして若手期待の森、と」
「豊さんのベイスターズ愛が溢れている感じが良かったね」
「ベイスターズ愛というか、むしろ藤田愛ばかりだったわよ!」
「ベタ褒めだったよね」
いや、褒めていたのは人間性ばかりで、プレイは期待していないとか結構、失礼なことを言っていたが、そこは無かったことにしよう。
「でもまあ、豊のテンションが上がるのもわかるくらい、このオフは球団が良く動いてくれたからね」
「あとは選手が結果を出すのみ!」
「まあ、シーズン始まらないと、何がどうなるかは分からないけれど、これまでのオフはほぼ完璧だからね」
「期待も膨らむってもんだよね!」
スローガンも決定し、あとはそれに従い突き進む。
漢字四文字というのは分かりやすいし、日本人だからやはり日本語、漢字という方が個人的には好きだ。
「横浜一心、横浜反撃、どうせなら \横浜優勝/ でよかったんじゃないかしらね?」
「さすがにそれはどうかと」
「いや、これこそファンと一体になれるスローガンよ! ただし優勝できなかった時が辛いけどね!」
さあ、優勝目指していきましょう!