「うーん」
腕組みをして首を捻る結乃。
「どうしたの？ お腹痛いの？」
心配そうに声をかける理衣。
「違うわよ、選手起用に納得いかないんだけど、結局は外から見ているファンが勝手に思っているだけだからどうしたもんかと」
「まあ、みんなそうだよね」
「別にそんなのは昔からあることだし、チームが勝っていればそれが正解だろうし、勝てていないからそう思うのもあるんだろうけど」
「ファンなんてそんなものだよね」
とはいえ、三浦DeNAの戦い方に納得感が少ないのも事実。
だから、負けていてストレスがたまっていく。
■１点を取りにいかない
「いや、色々と言っていたけどさ、結局、佐野、牧、宮崎には送りバントとかさせないじゃない」
「そういう場面がなかったとか」
「例えばこの前サヨナラ勝ちした阪神戦、大田が同点２塁打でなお無死２塁、本気で勝ちたいなら佐野に送りバントもありかと」
「うーん、バントすることで勢いが落ちるってのもあるよね」
「そうなんだけどね、同点という状況であと１点取ればサヨナラなんだから、３塁までいかせるの優先したらと。どうせ次の牧は歩かされることに変わりないんだし、そこから柴田、嶺井、森と下位打線に回っていくなら余計に３塁に行かせるべきではないかと」
「まあ、ねえ」
チームとしても、勝ちへの姿勢が見せられる。
もちろん、そうしたらヤクルトの守備体型も変わって、嶺井の打球が外野に抜けなかった可能性もあるけれど。
「走塁意識は変わってきたけれど、ただ打つだけは変わらないし。佐野は相変わらず、シフト敷かれても好きに打っているだけに見えるし」
「ヒットは打っているけれど得点は少ないってね」
「まあ、春季キャンプからやり出してすぐに結果の出るものではないと分かって入るけれど、それを意識した攻撃も見えないのがね」
「特に、ラミレス監督時代からやっているわけじゃないからね・・・」
■スタメン起用が理解できない
「これは誰もが色々思っていることだけど、結果を出した選手を次の試合ではすぐに変えちゃうのよね」
「相手投手との相性とかかな」
「それもあるでしょうけれど、状態が悪い選手を出したところで相性が良くても打てないでしょ」
「相性が良いから、そこで打って状態を戻すというのもあるかも？」
「いや、そりゃ本末転倒でしょ。状態が良いからスタメン起用、じゃないと納得いかないでしょ、状態の良い選手が」
今であれば、スタメンで起用され結果を残していた蛯名が、１試合無安打なだけでいきなりスタメンがなくなった。
え？
出し続けなければ意味がなくないか。
蛯名はバントも上手く、積極性も出つつ、四球なども選ぼうとして、塁に出れば盗塁もできて走塁もそれなりに上手く、成長が観られていたのに。
出し続けないと意味がないと思うのだが。。。
「つーか、外野手はマジで誰か２軍に落とさないと。優しくて落とせないだけに見えるわ」
「ダブついているもんね」
「外野手なんてスタメン以外に２人、控えがいればいいでしょ」
「その辺はチーム方針とかもあるでしょうし・・・」
試合の途中からバンバン入れ替えているが、スタメンの意味は？
シーズン通しての目標を目指した起用も、中長期的な視野を見据えての起用も、していないように見受けられてしまう。
■中継ぎ陣の固定化による酷使
「これはもう、昨日も言ったけれど、登板数上位を横浜投手陣が独占よ！」
「後からじわじわきいてくるよね、こういうの」
「いや、もう出始めているでしょ。つーか、なんで若手の中継ぎがいないのか」
「伊勢投手と入江投手くらいだもんね」
三上、平田、田中の同級生トリオはありがたいけれど、そればかりで良いのか。
中川とかこの前一軍登録したけれど、登板させずに落とされていなかったか。
「櫻井が手術でいないってのはあるけれど、もっと若手の中継ぎ作らないと、今後ヤバイわよ」
「クリスキー投手も心配だしね」
入江もクリスキーも便利に起用されすぎだろう。
ならばせめて、そういう役割の投手を他にも作って、ローテさせるなり登録と抹消を活用するなりしないと。
こういうことが多い。
無理せず、誰か２軍から上げて試せばよいのにと思うが、上げられるような投手すらいない、ということなのだろうか。
「ということで、まあ、言いたいことが色々あるけれど、ファンの妄想だから口にできなくて悩んでいるわけよ」
「いや、言っちゃっているよね・・・」
「まあ、あたしたちの知らない理由とかがあるんでしょう！ と思うしかないわね！」
「開き直ったね」
色々言いたいことはありますが。
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