「さあ、いよいよ後半戦がスタートよ!」
気合を入れて結乃が言う。
「スタートがいきなり、スターナイトでもあるね!」
理衣も拳を握りしめる。
しかし、いきなり試練の三連戦となりそうでもある。
何せ、相手は今季大きく負け越している広島。
先発も、森下、床田と打てていない投手が出てくるはず。
「ということで、なんとかロースコアに持ち込んで、中盤以降の中継ぎ勝負にもっていきたいところだけれど」
「こちらは今永投手、濱口投手、石田投手の左3枚でいくみたいだね」
「まー、それもありね」
「まずは初戦! ここをなんとかしたいね!」
今永もなかなかピリッとしない。
後半戦の開幕ということで、それに見合った投球を見せてほしいところである。
「打撃陣では、オースティンが一軍登録されるみたいね」
「いよいよ、だね!」
「とはいえ、正直、まだ調整中の気がするのよねー。無理に起用してから回らなければ良いけれど」
「ソト選手もコロナから戻ってきたしね」
巨人3連戦が中止になって良かったのは、コロナで外れていたソト、森が合流したことだろう。
とはいえ、しばらく隔離されトレーニングもなかなかできなかっただろうから、すぐにスタメンとも限らない。
「守備位置の問題もあるしね」
「ソト選手が一塁なら、ライトにオースティン選手?」
「だけどそうすると、今季頑張っていた蛯名や楠本の出番がなくなる」
「うーん、それは勿体ないよね!」
ディフェンス面の問題もあるし、走力の問題もある。
とはいえ、オースティンが実力通りのものを出せば、それ以上のものはあるだろう。
「仮に、オースティンが入るとしたら・・・」
「出た、想定打順!」
1.桑原(センター)
2.森/大和(ショート)
3.佐野(レフト)
4.牧(セカンド)
5.オースティン(ライト)
6.宮崎(サード)
7.ソト(ファースト)
8.捕手
9.投手
「こんな感じ? この場合、2番に入るショートが打順で機能するかどうかなのよねー」
「大和選手は下位打線で活きるしねぇ」
「機能しないくらいなら、こうするのもアリかな」
1.桑原(センター)
2.佐野(レフト)
3.オースティン(ライト)
4.牧(セカンド)
5.宮崎(サード)
6.ソト(ファースト)
7.森/大和(ショート)
8.捕手
9.投手
「打てる選手を前に詰めていく形ね」
「これでも悪くなさそうだよね」
「この場合、機動力は完全に捨てることになるけれどね」
「ラミレス監督時代みたいな打順だね」
「力のある選手を活かそうとすると、こうなるのよねー」
色々考えることはあるけれど。
まずは1勝。
何せ前半戦最後は3タテくらって終わっているのだから、これ以上、連敗はできない。
「広島にやり返して、スターライトを飾るわよ!」
「襟付きの珍しいユニフォームも楽しみです!」
勝つぞ!