「ちょっとちょっと、どういうことよ!?」
結乃が驚きに声も大きめに言う。
「こんなこと、なかなかないよね」
理衣も目を丸くしている。
2022年のドラフト、9球団が一位指名を公表し、しかも重複が一人もいないのだ。
こんなこと、今までなかっただろう。
「ちょっと、ドラフト中継がつまらなくなるじゃない!」
「そこ?」
「まあそれは置いておいて、なんで公表するのかしらね」
「他球団が重複しないよう牽制の意味が強いんじゃないかってね」
今年は目玉的な選手が少ないと聞く。
今までは、重複確実と言われるような選手がいて、リスクをとっても指名して獲得したいと思わせてきた。
そういう選手が今年はいないから、あえて公表することで重複を避けようというのか。
「でもさ、そうすると後から発表する球団は今まで公表されていない選手から選ぶから、なんか、どうなのかしらね」
「もともとリストアップしていた選手が、公表された選手と重複していなければ別にいいんだろうけどね」
「そんなことないと思うけど、それくらいバラけているということかしらん?」
「これだけ公表されてしかもバラけると、重複して仮にクジを外してもあまり影響ないような・・・」
「公表していない球団はそうよね。公表されていない選手を外れ1位とか2位で考えていたなら、重複して仮にクジを外しても同じことになるしね」
「残りの3球団が全て重複して、外れ一位も重複する、というリスクはあるけれどね」
「ここまで公表されたなら、もう本当に欲しい選手を指名にいくでいいと思うけれど。避ける必要ないでしょ」
好評人数が少ない時なら牽制の意味合いもあったが、ここまでくれば最早意味もない。
横浜は例年通り情報も洩れず、当日確定だがそれで良いと思う。
「浅野か、松尾か、あるいは吉村あたりか」
「うーん、楽しみだね!」
「誰を指名しても、受けて入団してくれるなら大歓迎だからね!」
「今年は本指名も5~6人と少なそうだけれど、どんな陣容になるかな~」
一位もそうだが、むしろ二位以下でどんな選手を指名できるかが重要。
その辺も注目したい2022年ドラフト会議です!