「ドラフト4位は森下瑠大!」
結乃が腹に力を入れて言う。
「将来性を見ての高卒投手だね」
理衣も頷いて言う。
何年か前から実施している、ドラフトの中位か下位で指名している高卒投手である。
ただ残念ながら、今のところ成果が出ていないのだが。
「京山、阪口、桜井、勝又、中川、山本、小園、とね」
「本当に、それだけ沢山とっているんだよね」
「即戦力投手も獲得しているけれど、育成も、と。しかし、一軍定着している投手がいない! 先発も中継ぎも!」
「京山投手が一時期おしかったんだけどね」
昔から高卒投手の育成は殆どできていない球団だが。
なんとかならんものか。
「そして今年はドラ4で左腕の森下ね」
「怪我とかもあって、最後の甲子園では活躍できなかったね」
「それでも、伸びると判断しての獲得よね。そういうの多いわよね、横浜は」
「頑張って欲しいね」
同期で捕手の松尾が入団するので、二人で切磋琢磨して欲しい。
高校も、大阪と京都で近いことだし。
「あと森下は打撃の評価も高いのかしらね」
「高校通算21本塁打で、外野を守ることもあったみたいだね」
「まあ、中途半端にならずにまずは投手一本で、でしょうけれど」
「打撃の良い投手を、よく獲得するよね」
「高校生だとエースで4番とか普通だから」
ストレートのキレ、変化球の制球など、投手としてのセンスが高いとの評価。
即戦力ではないが、まずは3年後の一軍登板を目指して頑張って欲しい。
「本当に、高卒投手で誰か成功して! ってか小園だけどね!」
「左腕には良い先輩もいるから、色々と盗んで!」
楽しみにしたい投手です。