「蛯名が3塁守備に挑戦しているとか!」
ニュース記事を見た結乃が言う。
「これは新たなチャレンジ??」
理衣も驚きながら言う。
もともと高校、大学時代はショートやファーストを守っていた。
そこから外野手に転向したわけで、そういう意味では外野手としての期間が長いわけではない。
「ショートやってたってことはサードもできるでしょ」
「ずっと外野で見ていたから意外だけどね」
「まあ、学生時代に上手い子は、投手とか内野をやるだろうからね」
「でも、これがうまくいくと面白いよね」
何せ、外野の層は厚いのでなかなか大変である。
それに対して内野の層の方がかなり薄い。
「2022年、出場した時には良い活躍も見せてくれて、来年以降に期待をもたせてくれたからね」
「活躍の幅を広げるためにもね!」
「それもあるけれど、既存の内野陣の控えが情けないってことでもあるでしょうね」
「う、ううん」
理衣は言いにくそうにしているが、そういうことだろう。
宮崎がいなくなったときのサードの控えが一気に弱くなる。
柴田なら守備は良いのだが、打撃が一気に落ちる。
小深田は成長しているとはいえまだ時間はかかるし、今後予定通りに成長するかは分からない。
それ以外となると知野とかになる。
「サードだけじゃないけれどね。ソト、宮崎、牧、大和、森、柴田、このあとに誰か出てこないとね」
「前から言われている所だね」
「牧をサードコンバートがあるとしても、かわりの2塁である程度成績を残せる選手がいないとできないし」
「そのために林選手をドラフトで指名したんだよね」
「そういった中で蛯名がサードを守れると宮崎の休みの時、あるいは怪我なんかの時に良いオプションになるからね」
走力もあり、パンチ力もそこそこあるし、色々とできる。
ハマると面白そう。
「細川も一塁守備をしているそうだし、なんとか、ってところよね」
「春のキャンプやその後のオープン戦でどうなるか、だね」
「ただ、そのためにはそれこそ必死でやらないと身に付かないわよ!」
「付け焼刃で出来るほど、どこの守備も甘くないからね」
さてさて、どうなるか。
でも、蛯名の守備はいけるとの評価もアリ。
ちょっと楽しみにしたいですね。