「ふー、沖縄から戻ってくると途端に現実に戻されるわね」
がっくりと肩を落としている結乃。
「帰ってくるとあっという間だったね」
理衣も残念そうである。
久しぶりの沖縄キャンプ見学。
楽しいことはあっという間。
「さて、そんなキャンプも3クールに入っていよいよ実戦ね」
「紅白戦、そしてとうとう他球団との練習試合も始まりました!」
「その最初の相手はリーグ2連覇のヤクルト! なんだけど」
「10失点と打ち込まれて大敗でした! 打線も、犠牲フライでの1点のみ!」
とまあ、初戦ではあるけれど寂しい結果となりました。
「阪口、京山と、いつまでも伸びてこない二人が投げたわけだけど」
「酷い言いようだね」
「3回1失点の阪口はまだしも、京山は3回4失点じゃあねぇ」
「厳しい出発だね」
さらに酷いのは東で、2回5失点。
「新人王もとった東だけど、手術をしてから結果が出てこないわね」
「本人も苦しいだろうね」
「TJ手術では健二朗が復活したけれど、東はどうなのかしら本当に」
「人にもよるだろうしね・・・」
手術してからの時間はもう経過している。
それでこの状態というのは、やはり厳しいのだろうか。
「打線もわずか5安打? アンバギーに初ヒットが出たのはよかったけれど、それだけじゃあね」
「その中で楠本選手が2安打のマルチヒット!」
「外野はアンバギーもいるからね、本当にアピールしないと」
「林選手も、とりあえず犠牲フライ打ったしね」
「点差的に犠牲フライを打っても、ってところではあるけれど、もともと返すタイプの選手じゃないしね」
「最低限をやったと考えて前向きに!」
結果は散々だったけれど、まだまだこれから。
むしろこれで危機感を強くもってやってほしい。
「奄美では昇格を目指す若手もギラギラとやっているでしょうしね」
「入れ替えも近々あるだろうしね」
「3クール目のテーマは「サバイバル」だからね! ここでふるい落としが決まってくるのかもね」
「だからこそ大事な実戦です!」
結果は二の次ではあるけれど。
楽しみと思えるものを残してほしいですね。