「侍ＪＡＰＡＮは見事に準決勝進出！」
結乃が高らかに言う。
「おめでとうございます！ 前評判通りの結果を出すのは凄いね！」
理衣も拍手をしている。
これでアメリカに。
そして対戦相手はより強力になっていく。
「さてその一方、ベイスターズは酷いもんね！」
「こ、ここ最近の試合はね・・・」
「いやいや、その前からそうよ！ 勝っている試合だって、投手陣が抑えていただけで打線は酷かったからね」
「少ない点を守り切ったと考えて・・・」
と、良い方向に考えることもできるが。
とにかくどの試合も貧打だ。
ＷＢＣで牧とソトが不在とはいえ、逆に言えばそれだけ。
ましてや他の球団だって同じように主力選手がＷＢＣに出場しているが、他の選手が奮闘しているわけで。
若手、新戦力の押し上げがまったく感じられないのがベイスターズである。
「打線だけでなく投手もね。新戦力で奮闘しているのは笠原くらいで、笠原なんてある程度実績あるわけで」
「２０代前半の層、ってところだよね・・・」
「野手はまだ、今は不在でも牧がいて、森が少しずつ結果を出してきて、林も頑張って、ってのはあるけれど」
「投手ですね・・・」
投手の新たな力が、先発にも中継ぎにもいない。
そして、復活を期す東も炎上して。
オープン戦とはいえ、未来が明るく感じられないのはヤバイですぞ！？
「ちょいちょい言われているけれど、スカウティングが落ちているのかしら？」
「どうなんだろうね。でもドラフトの成功なんて、何年もたってから分かるものだし」
「そうだけど、即戦力が昔は本当に即戦力になっていたのと比べるとね。高田ＧＭが退いたのが痛いとか？」
「うーん、でもスカウトがあげてきた選手を皆で選んでいるんだよね」
「そうなるとスカウトか、それとも育成なのか・・・」
「ま、まあまあ、シーズン入ったらガラリと変わるかもだし」
オープン戦も残り少し。
不安を払しょくするような内容を見せてほしいのだが・・・
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