「なんとも、ねぇ」
結乃が重い息を吐き出す。
「良いところもあったから!」
理衣が必死に盛り上げようとする。
ソフトバンクとのオープン戦、2-0から8回に一挙に4失点して逆転負けである。
「とりあえず、東が6回無失点と抑えたのが収穫ね」
「この前は初回5失点と炎上したしね」
「とはいえ3回までは毎回先頭を出すし、褒められた内容じゃないけれどね」
「それでも4回以降はパーフェクトに抑えて修正したからね」
正直、安定感はないけれど、ローテ候補としては残ったというところか。
やってくれないと困る投手ではあるが。
「東は良いんだけど、その後がね」
「石川投手はエラーもあっての失点だけどね」
「そうね、エラーもあって2点目は仕方ないかんじだけど、その後に出た銀二が四球出して、勝ち越しタイムリー喰らったのよね」
「結果が出ないねぇ」
三浦は自責点こそないが、石川が残したランナーを返してしまったわけで。
役割を果たしたとはいえない。
「その失点につながったエラーが森と柴田。完全に林に負けているわよ!」
「大和選手、京田選手も含めて打率も1割台だもんねぇ」
「高レベルの争いにはならなかったか・・・」
「林選手への期待が日増しに増していくね」
そういうのもあるが、攻撃では1塁ランナーがスタート切ってアウトになる間に3塁ランナーがホームイン、なんてこともやっていた。
狙ってやったのであれば、そういう得点パターンが増やせているのか。
「もう、毎回同じような試合なんで、言うことがないわよ」
「そ、そう言わずに」
「ファンが期待できるような内容を見せて!」
「お願いします!」