「日本、優勝ーーーーっ!!!」
結乃が拳を突き上げる。
「おめでとうございます!」
理衣も全力で拍手する。
2023年のWBC決勝戦、日本vsアメリカは、3-2で日本が勝利!
「準決勝のメキシコ戦に続いて1点差の痺れる試合!」
「しかもダルビッシュ投手から大谷投手へのリレー!」
「1点差の最終回、2死でバッターはトラウトとか、岡本も言っていたけれど漫画か!?」
「本当に、こんなことってあるもんだね」
作ろうとしても作り出せるシチュエーションではない。
これこそまさに天の采配。
この大会は大谷のために開催されたのかと思えるようなものだった。
「個人的にMVPは吉田だけどね」
「確かに、どの試合でも吉田選手がここぞで打ってくれて、勝っていたもんね」
「まあ、大谷をMVPにした方が色々な意味でありがたいんでしょうけれど」
「そ、そういうことは言わないで・・・」
とはいうが、日本は本当に個々が仕事をしており、誰が欠けても優勝は出来なかっただろうから、大谷は皆を代表して、と考えれば良いだろう。
「そうして! この2023WBC決勝戦の勝利投手として刻まれた名は、今永昇太!」
「横浜のエースです! 凄い! 歴史に名を残しました!」
「2回4安打1失点と、本人としては満足も納得もしていないでしょうけれどね」
「でも、あの状況であがった先発マウンド、初回を0に抑えただけでも凄いと思うけれど」
日本が後攻なので、完全にまっさらなマウンドに最初にあがり。
完全アウェーの中で真っ先にメジャーのスター軍団のアメリカ打線に立ち向かう。
もしここで崩れたら、1回裏の攻撃に入る前に意気消沈しかねない、大事なマウンド。
そこを抑え、2回も苦労したがソロHR一本に抑えた。
だからこそ、以降で投げる投手たちも頑張れたと思いたい。
「正直、本調子じゃなかったと思うのよ。球速とか出ていたけれど、なんかいつもと違う気がして」
「緊張もあっただろうしね」
「とにかく、WBC決勝での先発、ありがとう!」
「胸を張って帰ってきてください!」
「そして牧は出番はなかったけれど、盛り上げ、シャンパンファイトでも率先して笑われ役に!」
「好きなんだろうねぇ」
「ていうかメキシコ戦のサヨナラの時も、決勝戦の最後も、誰よりも速く駆けつけているのが笑えるわ」
「あはは」
今永、牧、ともにお疲れさん。
日本に戻って、ゆっくり休んでから、シーズンに合流してください!
「とかやっている裏で、オープン戦は0-2で敗戦!」
「相変わらず打てないねぇ」
「濱口は5回無失点とあわせてきたんだけどね」
「これでハマスタ開幕戦は濱口投手っぽいね」
「デーゲーム苦手の濱口は週頭カードで良いのよ!」
「投手陣はなんとかなってきたけれど、打線がねぇ」
もうあと少し。
どうすんのー。