「やっぱり支配下の道はなかなかに厳しいわよね」
結乃が腕を組みながら言う。
「残念だね」
理衣も肩を落とす。
地元神奈川県川崎出身。
横浜隼人の卒業。
さらに加藤本人もベイスターズファン。
地元で期待されたが、期待には応えられなかった。
「キャラクター的には非常に愛されキャラなんだけどね」
「いつもニコニコしているイメージだね」
「そしてSNSで寮の食事情報を出してくれたりね」
「そういうサービス精神的なところもあったんだけどね」
残念ながら野球の成績は伴わなかった。
「BCリーグに派遣されたりもしたんだけど、パッとした成績は出なかったわね」
「怪我もあったりしたしね」
「まあ、そういうの含めて育成は早期に良いものを見せてくれないと厳しいわよね」
「まだ若いけれど、若いからこそ早めに次の道を、ってのもあるしね」
退団後の去就もまだ未定。
まあ、高卒で育成契約したし、そうだろう。
「また21歳、来年でも22歳だからね、なんでもできるわ」
「明るい性格とキャラクターはどこでも愛されそうだしね」
「プロ野球での経験を糧に頑張って欲しいわね」
「応援しています!」