「大橋も２年で見切りかー」
結乃が残念そうに言う。
「もう１年くらい見るかと思ったけれどね」
理衣も言う。
足のスペシャリスト枠として村川とともに育成契約。
そのキャラクターもあって支配下登録を期待されていたが、駄目だった。
「うーん、村川との比較かしらね」
「あとは、前年より成績が落ちたから、とかかな」
「まあ、育成だからそこまで悠長に見ない、ってのはあるでしょうけれど」
「あのキャラクターを一軍で見たかったよね」
ファンフェスでの入団の挨拶など、良いものを見せてくれていただけに期待していた人も多かった。
だが、プロは甘くなかったか。
「一軍の外野が今シーズンの終盤に壊滅しただけに、残しておいてもって気はしたけれどね」
「確かに、二軍で外野を守れる人が全然いなくなっちゃったもんね」
「外野は沢山いる、なんておもっていたけれど、まさかだったわ」
「あとは足を武器にしてってのもね」
今後も野球は続けるという。
どういう形かは分からないが、年齢的にもまだ若さはある。
独立リーグなりで鍛えていずれプロに再挑戦・・・なんてことも決してないわけではない。
「ファンからの声も多かったでしょうし、そういう人はどこに行っても頑張れそうよね」
「この２年間を糧に、また新たなところで頑張ってくれそう！」
「残念だけどこれもプロの世界、仕方ないわ」
「またどこかで会えるといいけれどね！」
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