「秋季練習ももう終わりか、早いわね」
秋風を身にまといながら結乃が言う。
「充実した練習だったならよいけれどね」
結乃が頷きながら言う。
その結果が出るのはまた来年のこと。
ここでどれだけ積み重ねることが出来たが。
特に若手。
「楽しみなのは松本ね! 2軍ではかなり楽しみな姿を見せてくれたからね」
「奪三振率が凄いよね」
「物凄い速い球というわけじゃないけれど、角度とか含めて打ちづらいのかしらね」
「そろそろ一軍デビューして欲しい!」
素材型として獲得しただけに、時間がかかることはある程度予測した。
あの大量失点の苦しみや怪我での育成落ちもあったが、順調にあがってきた。
「何せ横浜高校時代の同級生、度会も入ってくるし、刺激になるでしょ!」
「同学年だもんね!」
「ドラ1で成長した仲間だけど、松本もプロで3年やっているわけで、成長で負けないで欲しいわね」
「二人で盛り上げて欲しいね!」
若手先発投手が出てこない状態に風穴を開けて欲しい。