「ちょっとちょっと、ここにきて大きなアクシデント!?」
結乃が大きな声を出して頭を抱える。
「開幕投手の東投手が、手首に打球を受けて降板だって! 大丈夫かな!?」
理衣も心配そうにしている。
試合中の出来事で偶に発生する事象。
不可抗力とはいえ、ここにきて東とは。
「その後の報道で、とりあえず打撲ということで大きな怪我ではないみたいだけど」
「それだけは一安心だよね」
「この試合も順調に無失点で進んでいたのにね」
「大事に至っていないと信じます!」
詳細は検査を受けてからであろうが。
ここまできたら無理なことはせずに、きっちり治して欲しい。
幸い、本人のその後のコメントでも重傷ではなさそうだが。
「左手じゃなかったのも、不幸中の幸いね」
「ホントーだよね」
「おかげで他に特に言いたいことがわからんわ。そもそも完封負けだしね」
「そんな中でも度会選手、石上選手、梶原選手、松尾選手と、若手が安打を放ってアピールだね」
「まー、そうね、そういうことにしておきましょう」
「元気がないなぁ」
とはいえ一日一本は立派である。
「あとはそうね、投手陣では徳山が良くなっているわよね、本当に」
「球速もあがって、その質も良い感じ? 三振も奪えているし」
「まずは中継ぎ、ビハインドとかからかもだけど、一軍で投げて信頼を積み上げたいわね」
「開幕一軍も見えてきているね!」
頑張れトクさん!
外れだったなんて、言わせるな!