「いやー、試合としては寒い内容だけどね」
結乃が苦笑いしていう。
「ま、まあ、横浜らしい試合ということで！」
理衣もまた微妙な笑みを浮かべて言う。
１３安打しながら僅かに３得点と非効率な攻撃。
しかも１３安打のうち１０安打は５回までに放ったのに、それで３点である。
四球も３つもらっているので、更に、である。
「それでも勝利だし、何より度会が５打数３安打でオープン戦首位打者！」
「最後の試合でまた固め打ちってのも凄いよね」
「５打数のうち１本でも出ればとは思っていたけれど、それ以上だもんね」
「ジャイアンツの佐々木選手も４割打っているんだけどね」
四死球が３つとはいえ、そもそもこれだけ打っているわけだから。
得点圏ではまだ弱いとはいえ、１番打者としてなら言うことない。
「もちろん、オープン戦は相手も打たせていたとかあるでしょうけれど」
「シーズン入って苦戦する選手も多いもんね」
「かつてはシリアコとかもいたしね」
「あ、ああ・・・」
なので、一方的に信じるというわけではないけれど。
それでもバットに当てる技術、初見の投手でも二打席目で修正してくる能力、評論家からも褒められるスウィング。
シーズンでも期待したくなる。
「石上も２安打したし、本当にルーキー二人スタメンもあるかもね」
「いやー、わくわくするね！」
「あとはセンターがどうなるかよね。梶原が２安打、桑原も途中出場でヒット打ったし」
「嬉しい悩みだね」
更に捕手の松尾。
若手をどこまで起用してくるか、楽しみである。
「投手陣では大貫が５回無失点とこちらも順調ね」
「３連戦で投げた東投手、平良投手、大貫投手、いずれも好投でした！」
「中継ぎも、上茶谷が一発くらったけれど、徳山がこの日も三者凡退でアピール」
「これは開幕一軍あるかもね！」
こちらも新人の松本とあわせて、楽しみな若い力が出てきた。
「オープン戦もこれで終了、あとは開幕を待つのみ！」
「いよいよ始まるねぇ」
「どうなるか分からんけれど、期待していきましょう！」
「おー！」
間もなく開幕！
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